戦国無双 夢部屋 (土佐)

□ログハウス造り
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翌朝の早朝、優璃は小助と共に鈴の家に向かった。

小助:「朝、早すぎない?」

小助はあくびしながら優璃に言う。

優璃:「農家の朝はこのぐらいの時刻に起きるから大丈夫だよ。」

小助:「そうなの?」

優璃:「小助の実家は武家だったんなら農家の暮らしがどんなものか知らないでしょう。」

小助:「そりゃあまあ、あんま詳しくないけど…。」

優璃:「着いた。御免下さ〜い!」

鈴の母:「はーい…あら、優璃さんに小助さん!」

小助:「どうも」

優璃:「こんな朝早くにすみません。移築の件で参りました。ご家族はまだ全員居らっしゃいますか?」

鈴の母:「ええもちろん!相変わらず汚い所で申し訳ないけどどうぞ中へ。」

優璃・小助:「「お邪魔します」」


優璃と小助は中に入った。そこは床は無く、ただ地面に茣蓙が敷かれており壁は大きな穴が空いていた所を木の板で塞いだだけで、所どころ小さな穴が空いていた。そこから隙間風と陽の光が入って中を明るくしている。

優璃はさっそく家の図面や完成予想図を見せながら、元親達の協力を得た事など細かく説明した。
そして今日さっそく着工に掛かるので、手が空いた時に手伝いに来て欲しいとだけ言い一先ず家に戻る事にした。
鈴達の反応は『まさか殿様方達が我々ただの農民の家を自ら建ててくださるなんて夢の様だ…。』
といった感じで優璃が位の高い大名しかも一国を治める殿様との人脈を持ちしかも農家の家を建てる手伝いをさせてしまう所が信じられないようだった。
鈴本人は自分の体や心までも労ってくれた優璃を信じきっており、鈴にとって優璃は憧れの存在になりつつあった。


優璃と小助が家に戻ると元親と依岡が朝餉を済ませ居間にいた。

依岡:「よっ!お二人さん早えーな!」

優璃:「おはようございます。今から出発ですか?」

依岡:「おう!心配掛けちまったから早く仲間に会わねーとな。」

元親:「承諾は問題ないか。」

優璃:「はい。農作業が終わったら来るそうです。奈半利城の安芸様にも伝えた方が良かったでしょうか?」

元親:「問題ない。戻ったら依岡に向かわせる。」

依岡:「承知したぜ。んじゃそろそろ参りましょう、殿。」

元親:「馬の刻ぐらいには戻るようにする。先に作業を進めててくれ。」

優璃:「分かりました。お気をつけて。」


優璃達は朝餉を済まし早速地盤調査をし、着工作業に掛かった。
清正と政則は手馴れた手つきでどんどん進めて行くのを見て優璃は驚いていた。
幸村も父の昌幸の影響か建築作業に慣れているようだった。武断派な三人は安心して任せられそうで優璃は頼もしく見ていた。
一方の兼続は幸村に聞きながら作業をしているようで、宗茂も清正に聞きながら作業をしている。
与七と小助は馬を引き連れて木材を運んでいる。
ギン千代と優璃、元就も清正達に合わせてネジ打ったりしていた。
あっという間に土台もでき一階部分に取り掛かっている。
与七と小助はあまりのスピードで進んでいくので、木材を運ぶスピードが追いつきそうになく焦っていた。
そこへ鈴達の家族が合流し木材を運ぶのを手伝う事になった。
着工中の現場に着いた鈴達は作業しているメンバーに驚き腰を抜かしていた。
優璃は元親の名前は出していたが、当日にも関わらず幸村達に説明がまだだったのと手伝わせるつもりはなかった為に鈴達に言っていなかった。
優璃は鈴達に気付き声を掛けた。

優璃:「こんにちは。来てくれたんですね。」

鈴の父:「優璃さん、なんだか夢見てるみてぇだ…。」

清正達は作業を止めて鈴達を見る。

元就:「もしかしてあなた方がここの家主になる方達なのかな?」

そして丁度そこへ元親と依岡が到着した。
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