戦国無双 夢部屋 (土佐)

□異変
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翌朝、朝餉を終えた小助は幸村に武芸の稽古を受けていた。そこにギン千代と宗茂も一緒に加わり稽古をしている。
そして光秀は少しずつ体を動かす為にガラシャと元親に支えられながら広い庭を歩いていた。
優璃は丁度与七と兼続と一緒に鈴の家の外に作るハウスの設計やそこで栽培する薬草をどうするか話合っていた。

与七:「田は今まで通りやるのか?」

優璃:「はい。ですから鈴さんには信頼のおける友人か誰かを三人連れて来て栽培を手伝って貰おうかと…。」

与七:「女か?」

優璃:「ええ、女性の方が良いと思います。」

兼続:「それはなぜだ?」

優璃:「鈴さんは今、男性が苦手ですから…。」

兼続:「?」

優璃:「彼女は野盗の被害者で、男性とあまり接触する事を怖がってるんです。最近になってようやく小助や与七とまともに話せるようになったんですよ。」

与七:「確かに中々話しかけても直ぐ逃げられていつも弟が変わりに要件聞いて貰ってたからなあ…。」

兼続:「そんなに酷いのか?」

与七:「今は大分改善されましたよ。男見ても逃げねぇようになりましたから。」

兼続:「確かに家を建てる時、少し我々を怖がってる様にも見えたがそれでか…。」

優璃:「それでビニールハウスを作っちゃおうかと思います。」

兼続:「ほう。本当に作れるのか?」

優璃:「与七が出来そうなら…。これ…」

優璃は作製書を与七に渡した。

与七:「………まあ…できねぇことはねぇが…材料をそろえねぇとな…。」

優璃:「それなら心配無用です。これから一緒に行きましょう。」

優璃は兼続と与七を連れ裏庭の奥にある倉庫になっている離れの建て物の土間に入る。

優璃:「この袋に入っているのが塩化ビニル樹脂でビニール製品を作る材料です。これを利用した日用品の数々が私の家に多くあるんですよ。」

与七:「へえ…これがねぇ…。」

兼続:「これでどうやって作るのだ?」

優璃:「此処に開いたのがあるのでまずこれを与七の家に運びましょう。」

与七は塩化ビニル樹脂の入った袋を持ち、三人は与七の家に入って行きビニールシートを作りそして建物に必要なボルトやパイプ、ジョイントなどを作りはじめた。


優璃達がそれぞれ作業をしている中、依岡は安芸氏のいる奈半利城に来ていた。

家臣:「本当に十河族を受け入れると元親様が仰ったのですか!?」

家臣2:「彼等と我々の因縁をご存知の筈、それならば先に我々に一言言って下さるべきでは御座いませぬか!!」

安芸氏:「因縁ならば元親様も同じだ。それにまだ十河族が提案を受け入れた訳ではない。」

家臣:「しかし、受け入れた場合は……。」

依岡:「敵討ちなんて馬鹿な考えは辞めろ。向こうも被害者だ。それに戦に犠牲は着きもんだろう?」

家臣:「……。」

依岡:「今はもう泰平の世だ。お前たちの私情で戦や問題を起こしてみろ!その時は殿の手を煩わせる間もなくこの俺がお前達を切り捨ててやるからな…!」

家臣全員:「「「……!!」」」

安芸:「…。」

依岡の威圧に圧倒され黙り混んだ家臣達は複雑な心情で事の成り行きを見守るしかなかった。
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