戦国無双 夢部屋 (土佐)

□忠誠
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夜の長い会談を終え皆がそれぞれ眠りに着いた翌朝、優璃は早く目を覚ました。
最近、優璃は元親と地下の秘密部屋で床を一緒にしている。やましい事は最初に寝た時だけ(番外編)。
いつも肩を並べ一緒に寝ている。

優璃は横で寝ている元親の様子を見て起きないようにベットから出ると思い出したかの様にあの場所に行ってみようと寝巻きを脱ぎ着替えようと手に掛けようとすると突然、元親が声を掛けて来た。

元親:「優璃、起きたか」

優璃は突然の声に油断しビクッとする。

優璃:「あ、起こしちゃった?」

元親:「まだ巳の刻にもなっていないぞ」⇦朝の5時の事

優璃:「…目が覚めちゃったし……元親、せっかくだし一緒に出掛けませんか?」

元親:「構わん」


二人は身支度を整える。優璃は元親に自分に着いて来るよう即す。
そして地下の非常口を発見した優璃は恐る恐るドアを開ける。
するとそこから裏山に続く外に出た。

優璃:「うわぁ…やっぱ此処に出るんだ…」

優璃は前世の世と同じ仕組みに感動する。

優璃:「こっから上に登ると見晴らしの良い所に行けるはずなんです。行ってみましょう?」

元親:「ああ」

優璃は舗装されてない獣道を元親と共に登り始めた。
登り始めて約30分程、目的地に到着。丁度良い岩の上に二人は座り景色を眺める。そこからは海がとても綺麗に見る事ができた。
元親も知らない場所に満足しているようだった。

優璃:「懐かしい…私がこっちの世界に来る前の時…何かにつまづく度に良く1人で此処へ来ていた。」

元親:「…恨むか?俺を」

優璃:「フフ、まさか…」

元親:「今も思い悩む事があるから此処へ来ようとしたのだろ?」

優璃:「私が此処へ来る時は何かを決断する時。言わば初心に帰り出発点に過ぎません。今まで事の成り行きに任せてばかりだったけどここからは自分の意志を貫くつもりです。」

元親:「フ、上等だ。俺はお前のそういう目に惚れている。どんなにお前が俺に抗ったとしても俺はお前のこの手を決して離さない。」

この言葉に流石の優璃も元親の自分に対する気持ちに気づいている。なんだか心のむずがゆい思いに恋愛をしてこなかった優璃はどうして良いのか分からないなりに元親に質問をぶつける。

優璃:「どうして私なんですか?立派な後継者の信親殿もいるのに側室とか…」

元親:「優璃、後継者や子供がいるからといって恋愛をしてはいけない決まりはない。それに俺はどうしてお前なのかと言われてもお前を見た時からもう惚れていた。好きな女に惚れるのにいちいち理由などない。魂を感じただけ。」

優璃:「魂…ですか…;?」

元親:「お前は前世からこれまで恋愛をした事がないと言っていたな。俺はお前がどんな答えを出そうとも全力で受け止めてやる。だからゆっくり考えればいい。」

元親は優しく優璃の頭に手を乗せ微笑む。
優璃はドキドキしつつも元親の大人の余裕な態度に少し悔しさを感じた。

優璃:「何だか子供扱いされた見たいで悔しいんですけど…」

元親:「色恋沙汰一つもないお前はまだ子供だ。だから目が離せん」

優璃:「…(その子供に恋する元親はロリコンじゃん)」

元親は優璃が失礼な事を思った事に察知し頬を軽く抓る。

優璃:「何するんですか。痛いじゃないですか…。」

元親:「ああ、今失礼な事を思ったんじゃないかと思ってついな…」

優璃:「(読まれた!?)…と、とにかくもう戻りましょうよ!」

元親:「図星か…」

優璃:「も、元親が私を子供だって言うからです!こんな子供を好きだなんて趣味が悪いって思っただけです!」

元親:「フ、優璃」

優璃:「…はい」

元親:「俺はお前が何者であってもこの気持ちは変わらん自信がある。」

優璃:「 ! 」

元親は優璃を引き寄せて抱きしめる。

元親:「だから怯えず前だけ見ろ。それでも道に迷うなら俺がこの手で道を照らしてやる。」

優璃はゆっくり自分の手を元親の背中にやりきゅっと握りしめた。

優璃:「……」
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