戦国無双 夢部屋2 (越後)

□はじまり
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沙夜が段蔵と別れ清国へ旅立って15年の月日が流れた。
越後では上杉謙信は35歳、姉の綾御前は37歳そして息子である景勝は25歳、与六は元服を15の時に迎えて名を兼続と改め年齢は20歳を過ぎていた。そして謙信の重臣である直江兼綱が景虎側の家臣に暗殺される事件が起き緊迫した雰囲気が漂っていた。
そして未亡人となった兼綱の妻お舟(おせん)は子と一緒に綾御前の屋敷に匿われた。

景勝:「兼続」

兼続は景勝の前に頭を下げる

景勝:「其方が直江の名を引き継いでくれぬか?」

兼続:「は?しかし…お舟の方はご承知で?」

景勝:「母上を通してお伝え申した。後は其方の了承のみだ。其方の父上にも了承済みだ。で、どうだ?」

兼続:「は、私は構いませぬ。」

景勝:「では今日より其方は樋口兼続から直江兼続と名乗れ。」

兼続:「承知致した」

こうして兼続は直江家の婿養子となった。

その頃上杉謙信の宿敵といわれる武田信玄は北条氏康と同盟を組んでいたが氏政が武田の領土である沼田城を奪おうと徳川家康と同盟を結ぶ。
これに武田信玄は激怒し徳川に奇襲を掛け徳川家康を多いに苦しめた。

この時、家康は何度も自害をしようと悩んだが重臣の本多忠勝と井伊直政の二人に何度も止められ思い止まった。

一方、北条幻庵は上杉家の家督を自分の養子として育て上げた景虎のものにしようと目論んでいた。
その為少しでも謙信の弱みを握ろうと伊勢姫とその父を捕えたが二人が自害した為、失敗に終わり現在は伊勢姫の侍女である沙夜の行方を長年探し続けていた。

上杉の忍びである段蔵はそれを防ぐ為、北条の追っ手を片っ端から片付けていた。
そんなある日、段蔵の元に一人の男が現れた。
その男は髪が紅く顔は忍び化粧をしており背丈がかなり大きかった。

「貴様、北条氏康の…」

「うぬを知っているのか?」

「ふん、貴様もこいつ等と一緒か?ならば容赦はせんぞ」

「我をこ奴等と一緒にするな…うぬをただ見に来ただけよ」

「暇人だな」

「うぬに忠告をしに来てやったのだ…そう警戒するな。」

「それは氏康からのか?」

「それを上杉謙信へ渡せ。信じるかは自由よ。うぬは直ぐあの侍女の元へ行く事になるだろう。急がねば後悔する事になる……ククク…」

「まて!貴様、名を教えろ!」

「 ! もの好きよ。 うぬの名を知りたいとは…。我は風魔小太郎だ……」

風魔は名を告げると気配を消し去って行った。
完全に気配を消したのを確認すると段蔵は急いで春日山の謙信の屋敷へ向った。
段蔵は自分から名を聞くなどあり得ないのだが、何となく今後も関わる予感がしてならなかった。それが幸か不幸と出るかは誰にも分からないが何か運命的な物を体に感じとっていた。
また、風魔も似た物を感じとっていた。
忍び同士にしか分からない感覚なのだろう。
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