戦国無双 夢部屋2 (越後)

□決断
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湾商(マンサン)の商団の長 ホン・トクチュの屋敷

ホン:「一体何の騒ぎだ!?宿が燃えてしまってるではないか!!」

ダン:「も、申し訳ありません!じ、実は…」

ダンはこれまでの事を洗いざらい全て長に話す。

ホン:「むう…北条め!許せん!直ぐ大工を呼び宿の修繕に当たれ!メイファはどうしている?」

ギル:「今は大分落ち着いているようです…」

ホン:「そうか…」

ミグム:「父上!大使様がお見えです。」

ホン:「うむ、此れへお通しせよ」

ギルとダンは下がりマンサンの大使がやって来た。

ホン:「これはこれは大使様、わざわざお越し下さり誠に申し訳ありません…。もしや宿の放火の噂を聞きつけておいでで?」

大使:「うむ。これまで港は穏やかに各国の商団が来てもこんな騒ぎはなかった。一体何事だ?」

ホン:「私も先ほど部下に調べさせた所、どうやらネズミが入ったようで…」

大使:「ネズミ?」

ホン:「はい。犯人は港外れに住む平民、もしくは奴婢か…。なにはともあれ今は兵を動員して残りの一人を捜索しております。」

ホン・トクチュは和国の北条の刺客については秘密にし、報告はしていなかった。
これは越後の上杉にも関わる問題の為、今後の友好関係にヒビが生える事柄は内密に処理をしていた。

大使:「ならば良い。事が大きくないのであれば。近々、王様が自ら視察に参ると報告があった故、献上品と街の修繕は急ぐように」

ホン:「承知致しました。」



宿のメイファの部屋

メイファはリュックに荷物を詰め込んでいる。そして沙夜に渡された箱の中身も開け中を確認すると、伊勢姫が上杉謙信から贈られた毘沙門天の木像とこれまでの手紙、そして沙夜が清国へ暮らすようになってからこっそり綾御前と段蔵との手紙のやり取りした手紙がぎっしりと入っていた。そして奥の巻物を開くと綺麗な女性の肖像画が描かれていた。

メイファ:「綺麗……。」

思わず口からポロっと出た。

メイファ:「(誰だろう?伊勢姫って人かな?)」

メイファはしばらく部屋で大量の手紙を読む事にした。
メイファは伊勢姫と謙信の手紙を後回しにし、先に沙夜と段蔵の手紙のやり取りを読む事にした。
そこにメイファの衝撃的な文を見つけてしまう。

“ 沙夜、私の子と謙信様の子は元気にしているか?もう直ぐ5歳になる頃だろう。せめて顔だけもみたいが中々行けず寂しい思いをさせて済まない…”

メイファ:「(謙信様の子…??)」

メイファは謙信と伊勢姫のやり取りの手紙を読むが子供が産まれたという文は一つも見当たらなかった。
しかし伊勢姫から沙夜へ当てた手紙が一通ありメイファは見落としてしまう。
メイファは益々混乱し手紙を綺麗に仕舞い箱に入れリュックに入れると背負って沙夜の部屋に入り荒らされた部屋を綺麗に直す。

シュリ:「姉さん、片付け?」

メイファ:「シュリ…」

シュリ:「僕も手伝うよ」

シュリが手伝おうとするとシュリはメイファの物と思われるリュックに目が行く。

シュリ:「姉さん…この荷物…」

メイファ:「……」

シュリ:「もしかしてダルおじさんと行くの?」

メイファ:「違う。」

シュリ:「じゃあ何処に行くの?あっ!もしかして母さんを探しに?だったら今度は僕も連れてって!」

メイファ:「それも少し違うわ。私、和国へ行く。」

シュリ:「和国?何で?」

メイファ:「和国は危険な所だって聞いた。だからそんな危ない所にシュリを連れて行けない。だから…」

シュリ:「嫌だ!!絶対行く!!危ないのは姉さんもだよ!僕を一人にしないでよ、姉さんはどうしていつも一人で抱え込むの?僕達姉弟でしょ?」

メイファ:「シュリ…」
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