戦国無双 夢部屋3 ( 筑前)

□迷想
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宗茂:「自ら海へ飛び込んだとは…死を覚悟せねば出来ぬ事だ。あの浜辺に流された事が奇跡だな。」

そら:「ほんとそう思います。自分が生きてる事が今でも不思議に思えます。」

遠くを見つめながら言うそらの横顔に少し切ない表情が見え隠れしているのを見て宗茂は目を奪われる。

宗茂:「怪我が治るまでここでゆっくりすると良い。何か欲しい物があれば遠慮なく俺に言ってくれ。」

そら:「ありがとうございます。でも…早く戻らないと班長や後藤さんが心配してるから…」

宗茂:「そら、実はどうしても君を連れて行きたい所があるんだ。君が戻らなきゃ行けないと言うのは分かってる。怪我が完治したらそれだけ付き合ってくれないかな?」

宗茂はそらの言葉を遮り覚悟を決め約束を取り付ける。その言葉は少し焦っているようにも感じられそらは怪訝に宗茂を見るが直ぐ表情を隠しいつものニコニコの表情に戻っていた。

宗茂:「ハハ、ごめんね?君が帰りたいって思うのは当然の事なのに無理やり引き止めちゃって。でも、どうしても確かめたい事があるんだ。それに君にも是非付き合って欲しくて。」

そら:「確かめる事ですか…?」

宗茂:「それは当日のお楽しみにしておこう。それには君の怪我と体力を回復しないと行けないね。」

そら:「そんな風に言われると気になっちゃいますよ…。でも…宗茂さんは命の恩人ですから付き合いますよ。」

宗茂:「じゃあ、決まりだな。」

宗茂は内心ホッとし心の奥で安堵した。


そしてそらは宗茂と別れた後部屋に戻りやっと自分の荷物を確認する事が出来た。
そして、携帯とインカムを取り出し使えるかを確認する。

そら:「( おかしいなあ…二つとも防水加工だから海に浸かっても使えるはずなのに…電波が圏外だなんて…ここ相当田舎なのか??壊れた風でもなさそうだしなあ…。宗茂さんに後で聞いた方がいいかなあ…?)」

そらは後藤さんか班長に連絡を入れたかったが結局出来ず少し不安に襲われる。
それに帰ろうと口ずさむのも宗茂が意図的に拒んでいる事を薄っすら感じていた。
そしてこれまでの周りの発言を思い出し自分なりに推理する。

そら:「( 椎信さんがこの屋敷の主だけど宗茂さんに仕える…という事は宗茂さんは椎信さんより上の立場でこんな立派な屋敷…しかも天守閣があるとか言ってたけどどっかの組織のトップなのかな?電波も技と圏外の場所に連れて来られたとかだったらマズイ事だ。テロ組織と関わりが無ければ良いけど無いとも言い切れない…。それにこんなに立派な屋敷の持ち主だったら政界に関わり持ってても不思議じゃないし…。さっきのテロの奴等だったら私なんかとっくに殺してる…。宗茂さんを疑いたくないけど…今はこの状態だし彼を信じるしかないよね…。」

そらは荷物の中にある銃と玉を見る。
自分が彼等にとってまったく警戒されてない事を自覚した。何より多くのマルタイを警護する為数々争ってきたそらも宗茂や椎信の体躯を見て自分以上に鍛えられた体の持ち主であろう事が予測された。
下手に抵抗出来ない自分を分かっていて彼等は余裕の構えで自分に接している。
そらは苦笑いした。


一方の宗茂

宗茂は自室で考え込んでいた。

宗茂:「(何とかあの場を取り繕う事が出来たもののいきなりあの場所へ連れて事実を聞かされ納得するだろうか?……ありえんな…。)」

宗茂は考え込んだ末、怪我の具合が良くなり次第まず、城下町などいろいろ連れてそら自ら気づいてもらおうと考えた。

宗茂:「(上手く行くと良いけどな…。そしてそらを是非立花家に引き入れれば…。)」
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