戦国無双 夢部屋3 ( 筑前)

□立花城
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宗茂は迷っていた。
別世界から来たそらに夜迦までさせるつもりはなかったからだ。
ギン千代が小姓と家臣の前で宣言してしまった以上は勤める義務がある。

宗茂:「(そらは本当に平気なのか・・)」

らしくない自分の思いといい宗茂は苦笑いをする。
それに一番にそらは胸の内を全く見せない。これが宗茂の戸惑いを大きくしていた。


寝着に着替え終えるとそらは直ぐ宗茂の寝室へ向かった。
しかし、覚悟をしたものの緊張が高まったなのか胸が苦しく手が少し震えてきた。

そらは部屋に近づくと「落ち着け」と自分に言い聞かせるように手に力を込めて握り一呼吸置き部屋に待つ主に声を掛けた。

そら:「宗茂様、そらです」

宗茂:「入れ」

一気に緊張が増しそらは襖に手を掛けそっと開く。
ゆっくりと中に入ると蝋燭の光に照らされた宗茂の姿が妖しく妖艶に映った。
一方の宗茂も真っ白い寝着に身を包むそらが美しく妖艶に映り目を見開いた。

宗茂:「綺麗だ・・」

そら:「え?」

つい口から漏れた言葉にそらは瞠目し耳を疑った。

宗茂:「あ、いや・・さあこっちにおいで」

宗茂はそらを布団へと即す。
言われたままそらは布団の上に座ると宗茂との距離が一気に至近距離になり思わずガチガチに固まってしまった。
その様子に宗茂は「(あれ?)」とこれまでの戸惑いが一気に吹っ飛び思わずクスクスと笑ってしまった。

宗茂:「ふふふ・・そんなにガチガチにならなくても無理に抱いたりしないよ?」

そら:「え?」

宗茂はそらの頭を優しくぽんぽんと叩くと安心したかのように優しく笑む。

宗茂:「何でもきっちりこなして行く君に感情が消えてしまったんではないかと心配したよ。でも今のそらを見て安心した。」

そらは一瞬ポカーンとしてしまったが気を取り直し宗茂に問いかける。

そら:「あの・・宗茂様、良いんですか?」

宗茂:「何が?」

宗茂は技といじわるく聞き返す。

そら:「その・・ですから夜迦は・・?」

宗茂:「君はしたい?僕と」

そら:「ええ?」

そらは宗茂のいじわるな質問に戸惑い何と答えて良いのか迷う。
宗茂は自分で聞いた質問にも関わらずそらの口から「はい」と言える筈がない事は分かり切っているのにショックを受けた。
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