戦国無双 夢部屋 (土佐)
□出会い
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重傷者を馬に乗せ山道を行く道中
「あっ、申し遅れました。私、駒欄優璃と申します。」
と、思い出したかのように告げる。
「駒欄…?聞き慣れない名だな…。俺は元親だ。」
「ワシはガラシャなのじゃ」
「其方は、四国の民か?」
優璃は少し笑みを浮かべ「一応、そうなりますかね。」
元親は眉を寄せ、怪訝な表情で彼女を見る。
「お二人は異世界を信じますか?」
突然の彼女の質問に元親は察しが付き、
「異世界から来たと言うのか?」
「察しが良くて助かります。信じるかは、私の家を見て頂くのがより信憑性が付くと思います。」
「さっきの鳥もそうか?」
「フクは異世界を自由に行き来するワタリガラスです。三ヶ月程前、初めて此処に来た時に死神のアベルから頂いたんです。」
「死神?」
「詳しくは、家で話しましょう?もう着きます。」
すると、ガラシャが
「フクは置いて来てしまっても良かったのかのぉ〜?」
「心配無用ですよ。緊急時は笛で呼べば直ぐ飛んで来ますし、鳥だから直ぐ見つけて飛んできます。」
「凄いのじゃ‼」
※優璃視点
「(てか、先ほどの長宗我部の話の感じだと異世界という言葉に何も疑いが無い気がする。私、以外にも異世界から来た人間の前例でもあるのかなあ??まあ、私の事は信じて貰える方がありがたいし、楽でいいんだけど…)」
※ 元親視点
「(三ヶ月前か…、確かに珍妙な家があると忍びから報告があった。鉄壁すぎる守りとかでなかなか確認ができないらしい。念の為、手は出さず見張っておくようには伝えたが、先に正体がバレるとは…。見た目は、ガラシャと歳は変わらなさそうなのだが、頭はかなり冴えてるな。異世界か……。 それも気にはなるが、駒欄優璃、そなた自身が興味深い。)」