戦国無双 夢部屋 (土佐)
□豊臣からの使者
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翌日の朝、ガラシャと優璃は光秀の様子を見に来ていた。
ガラシャ:「父上、なかなか起きないのじゃ…。」
優璃:「ガラシャ、父上様は相当体を酷使して疲れておられる。もう少し休ませてあげましょう?」
すると家の防犯ブザーが勢いよく鳴りだした。
ガラシャ:「なっ!何じゃ!?」
優璃:「誰か仕掛けた罠に掛かったみたいです。行って見ましょう。」
すると玄関の方から与七と小助がとりもちまみれで動けなくなった忍びを板の台に乗せて優璃を呼んでいた。
与七:「優〜璃〜!長宗我部様のとこの忍びが玄関の天井に掛かってたぞ〜!」
優璃:「きっと急ぎの用事でしょう。ガラシャ、急いで元親を呼んで来て貰えるかな?」
ガラシャ:「うむ!」
犬達が集まって来て、忍びについた大量のとりもちを舐め初めている。
忍び:「( ヒェ〜〜〜!)」
優璃:「庭に移動しましょう。小助、後で湯浴みと着替えを用意してあげてください。」
小助:「分かった!」
すると、ガラシャが少し眠たそうな元親を連れて来た。哀れな忍びの姿に誰も突っ込んでこない。
忍び:「殿!大変でございます!行くへが分からなかった、依岡様が豊臣に捕らえられしかも明日、豊臣から使者をこちらへ送ると…!依岡様は自分の身は案じるなと、殿にお伝へしろと仰っておりました…。」
元親:「 ! ……さようか。依岡の身は無事か?」
忍び:「酷い拷問を受けておられておりましたが、無事に生きておられます。」
弥七:「なんて汚ねぇ連中だ!」
優璃:「自分の身を守りたいが為の取引でしょう。豊臣も焦ってるんでしょうね。
元親、織田信長公へ明智様の安否を知らせてはいかがでしょう?それと、信長公の性格上この事態は隠さず報告すべきです。」
元親:「ああ、そなたの鳥を貸して貰っても良いか?」
優璃:「ええ、書状は今晩、信長公が寝る寝所が良いでしょう。ついでにまた信長公と豊臣他の動きの確認をフクにお願いしましょう。」
元親が頷き、全員が居間に集まる。
優璃:「元親、豊臣の使者がどんな方達か確認できますか?」
元親:「ああ、恐らくねねだ。場合によっては小遣いの福島政則あたり連れて来る可能性もあるな。」
優璃:「こちらのねね殿は豊臣秀吉の正室でありながら、忍びだそうですね。」
元親:「ああ。」
優璃:「此処へ戻って来る時、尾行されてたらそのままにしてください。」
元親:「何故だ?」
優璃:「取引を穏便に進める為捕まえます。明日の会見、明智様の事を聞かれたらどうするつもりです?」
元親:「どうするも今は教えるつもりはない。今日は今晩のうちに城へ戻る。この書状の件は頼んだぞ。」
優璃:「御意。」