戦国無双 夢部屋 (土佐)

□元親と依岡
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元親:「依岡 左京。依岡は、本能寺の変が起きる前日に俺が信長公へ向けた使者だ。だが、安土城に信長公が居なかった為、本能寺へ向かったが、その時既に謀反が起きていたのだろう。おそらくその時依岡は謀反人の顔を知ってしまった。気づいた謀反人達は口止めの為、依岡を捕えなくてはならなかった。推測だが、可能性は高いだろう。」

ねね:「なるほど…。それなら今まで姿を隠して居たのは?」

元親:「忍びが探し回っていた為隠れるしか無かったんだろう。土佐や九州にまで捜し回ってたらしいからな。だが、光秀が襲われると知って出て来てしまったんだろう。」

ねね:「そういう事だったのね……。」

元親:「今、加藤清正がこちらに向かって来ているそうだ。」

ねね:「清正が?」

元親:「事付を聞き次第だが、其方をここに預かる事になるかもしれん。心配せずとも秀吉は死なせはしない。その為、早く事の事情を信長公へ耳に入れねばならんだろう。」

ねね:「元親…。」

ねねは感謝の涙を流し頭を下げた。



そして昨夜、加藤清正が四国へ馬を走らせている差中石田三成は島 左近と依岡の救出へ向った。

蜂須賀:「こんな夜分に何事ですか?」

三成:「秀吉様からのご命令だ。さっさとその者をこちらへ引き渡せ!」

前野:「なっ、何ぃ!?しょっ、証拠はあるのか!?」

左近:「ええ、こんな事もあろうかと、此方にちゃんと書状を持って来ましたよ。ほら。」

左近は蜂須賀達に書状を見せると、蜂須賀と前野は顔を見合わせ苦虫を噛んだような顔つきで、渋々依岡を引きずりだした。既に依岡の意識は朦朧としており三成達の前でまともに立つ事が困難な状態だった。そんな姿の依岡を見て、三成は眉間に皺を寄せ蜂須賀達を睨んだ。

左近:「こりゃ酷い有様ですねぇ。」

三成:「疑いがあるだけでここまでするとは異常だな。」

左近:「とにかく、この方は我々が連れていきますんでこれで失礼しますよ。」

そう言い残し、三成と左近は二人から依岡を奪い去って行った。三成は一日でも早く依岡を土佐へ帰したかったが、想像以上に酷いやられ方をしていた為、自分の城である佐和山城で、せめて動けるようになるまで、保護する事にした。

三成と左近が去った後、

前野:「連れて行かれちゃいましたね。どうしますか?」

蜂須賀はイライラした口調で

蜂須賀:「お前はいっつもそればっかではないか!少しは何か知恵を出せ!」

前野:「そんな事言ったってこれは俺のせいじゃないじゃないか。」

蜂須賀:「何か言ったか?」

前野:「い、いえ…何も……。」

蜂須賀:「とにかく、あのまま土佐へは行かんだろう。行くとしたらしばらくは佐和山城に違いない。すぐ手練れの忍びを集めれるだけ集めて来い。」

前野:「承知した!」
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