戦国無双 夢部屋 (土佐)

□安土城2
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優璃は吉継の診断を終えるとしばらく、吉継と三成と三人で談笑していた。そこにフクと吉継に渡した鴉もいる。

三成:「そういえば朝餉の時に言っていた、“けーすばいけーす”と“ぎぶあんどていく”とはなんだ?南蛮語か?」

優璃:「“case-by-case”は個々の場合に応じて対策を考えるという意味で、“give-and-take”は自分から相手に利益を与え、その代わりに自分も相手から利益を得ること。公平なやりとり。という意味です。南蛮ですがイギリス人などの商人が貿易などで用いた言葉ですよ。」

吉継:「なかなか良い言葉ですね。優璃殿は南蛮の言葉が話せるのですか?」

優璃:「こちらの異国人にお会いしていないので、分かりませんが多分通じると思いますよ。」

蘭丸:「あ、いた。こちらに居らしたのですね。」

突然、蘭丸が部屋に来た。

三成:「何のようだ。」

蘭丸:「突然申し訳ありません。今朝、優璃殿に城内の案内をお約束しましたのでお呼びに参ったのです。」

三成:「そんな約束していたのか?」

優璃:「はい。私のいた世界では安土城は幻の名城なんです。せっかく来たのでじっくり見物しようとお願いしたんです。あの今度機会があったらお二人のお城も見てみたいですが駄目でしょうか?」

三成:「構わん。」

吉継:「ええ、私も貴方なら大歓迎ですよ。」

優璃:「わあ、嬉しい!ありがとうございます。では、行ってきますね。」

三成:「ああ。」

優璃は満面の笑みで二人に会釈をして、蘭丸と部屋を出て行った。

吉継:「フフ、とても良い子ですね、佐吉。」

三成:「城なんかではしゃぐとは、子供の様だが。」

吉継:「異世界から見たら珍しいんじゃないかな?」

三成:「かもな。」



蘭丸:「優璃殿はお城がお好きなんですね。」

優璃:「ええ、私の居た世界ではほとんどこういったお城は残っていませんから。こうしてまじかで見られるのはなんだか嬉しいです。」

蘭丸:「フフ、そうなんですね。じゃあ、さっそくあそこから順番に案内しますね。あっ、そうだ。信長様がこの後茶室にご案内するように言われております。元親殿と信玄公、謙信公もいらっしゃると思います。」

優璃:「そうですか。」

優璃は蘭丸に城の説明を細々聞きながら見物を楽しんだ。
そして大阪城では主君の留守中を秀次が取り仕切っていた。そこにある男が訪ねて来た。雑賀孫市。彼は古くからの秀吉の友人である。

秀次:「わざわざ来て頂いたのにすまない。」

孫市:「良いってことよ。留守じゃあ、仕方ないさ。また戻ったら俺が来たって事を伝えておいてくれよ。」

秀次:「ああ、伝えておく。」

孫市:「(しかし何か妙な雰囲気だな…。何か隠してやがる。秀吉が安土城へ行ったのと何かありそうだな…。一体何が起こってるんだ?)」

孫市は城を出ると、城下町を歩き聞き込み調査をする為、花街へ向かった。
孫市は女を買うと部屋に入り女を抱き寄せた。

孫市:「なあ、最近何か噂になってる事はねぇか?」

遊女:「あんっ…う、噂って?」

孫市:「例えば、大阪城の城主様の様子とか。」

遊女:「んっ…もうっ。…そうねぇ…。こんな事口にして良いのか分からないけど…。」

孫市:「おっ、あるのか?」

孫市は顔を寄せて迫ると遊女は頬を赤く染めて話出した。

遊女:「もぉ、確か三日ぐらい前だったと思うけど、秀吉様は前田利家様に捕縛されて安土城へ向われたなんて噂があったわ。」

孫市:「な!?それ本当か!?」

遊女:「わかんないわよ、噂だもの。それと関係あるか分からないけど、明智光秀様は生きてらっしゃるとか…。あ、そういえばもう一つ、佐和山城が襲われたって話もあったわ。しかも犯人は同じ豊臣に仕える家臣の人だったらしいわよ。もう、豊臣家って何か問題多く抱えてらっしゃるわよねえ。大丈夫なのかしら。それよりもしないの?」

孫市:「ん?ああ、わりぃ。」

孫市は考える事しながら遊女を抱いたのだった。
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