戦国無双 夢部屋2 (越後)

□はじまり
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清国の港街

ここに大きな商団をまとめている商人がいる。
湾南(マンサン)の港の長 ホン・トクチュとその妻 ソンミ。
沙夜はこの二人が経営する宿で働いていた。
沙夜は31歳になり現在二人の子供がいる。
一人は伊勢姫と謙信の間に出来た子。名は梅華( メイファ) と名付られた。彼女は15歳で好奇心旺盛でよくドジをしてソンミに怒られる沙夜を支えていた。
そしてもう一人は沙夜と段蔵の間に出来た子、守季( シュリ) 。メイファと一つ違いの血の繋がらない弟。メイファを慕い自分達は姉弟である事を信じている。
しかし、メイファは鋭く、母が日の本の言葉を喋り父親が何故居ないのか幼い頃からずっと疑問を持っていた。そして、沙夜は特にメイファを日の本には関わらせたくないと強く思っていた。その為、日の本から綾御前や段蔵からの手紙が届くが、メイファの目の届かない場所へ伊勢姫の遺品などと一緒に隠していた。
メイファは『自分の父親が誰なのか?』、『何故、母は日の本の人なのに清国で暮らしているのか?』明らかに自分に何かを隠している事がいつも気になっていた。


商団の護衛達の武芸道場、此処でメイファとシュリはいつも一緒に武芸を習っていた。

「やあっ!」

「はっ!」

カキンッ カキンッ!!

二人の剣がぶつかり合う音が響く。

「えいっ!」

「はあっ!」

カンッ! カキンッ!ヒュンッ!

メイファの剣の先がシュリの首元にピタッと止まった。

「ハアハア…」

「ふふ、また私の勝だ」

「それまで!」

二人は一礼して仲間の元へ行き座る。

「お前本当に女か?」

「シュリ残念だったな〜」

「うるせーなあー!これから強くなるんだ!見とけ!」

「ギルさん、今日ダルおじさん達到着するんですよね?」

「ああ、もう宿に着いてるらしいぞ」

「本当ですか!?それじゃ失礼します!」

「あっ!姉ちゃん待って!!」

「おい!メイファ待てよ!」

メイファは急いで宿へ走って行った。その後をシュリと仲間達が追う。

「やあ、メイファ久しぶりだ。少し背が伸びたんじゃないか?」

「こんにちはダルおじさん。こちらの方々は?」

「ああ、紹介しよう。ローマから来たアレックスとアンドレとその息子のマルコだ。」

「はじめまして、メイファです。こっちは弟のシュリと友達のヤンギルとイムジョンです。二人は新羅(シルラ)出身です。」

「はじめまして」

皆が挨拶を交わし合っていると階段から沙夜が降りて来た。

「メイファ、シュリ!帰ってたの?あら、ダル様ご無沙汰しております。」

「やあ、今回も世話になるよ。」

「お母さん、ダルさん達なら私に任せて。シュリ、お茶よろしく!」

「え〜〜しょうがないなあー…」

「おじさん、奥の個室取っといたから案内するよ。」

「ああ、頼む。」
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