トビ空

□―不安―
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カタンッ‥



寄りかかったロッカーが音をたてて揺れた、



「目、痛いや‥」



泣くなんて思ってなかった



いや、でもやっぱり‥


「最初から相手にされてなかったんだ‥」




ショックだった…




また瞳に涙が浮かんでくる




「うっ‥駄目だιこれ以上泣いたら目が腫れる」



顔を洗いに行こう



そう思ってタオルを手に、部室を出ようとした




ドンッ!!




「っ!?」

「わっ!!」



ぶつかって、後ろに倒れそうになるのを支えてくれたのは…



トビ君だった‥




「危ないのぉチビ、大丈夫‥」

「ごめん大丈夫だから離して」




思わず冷たくなってしまった



「‥…」



「あっ‥大丈夫だから、…ごめん」



本当にもう嫌だ‥


なんでよりによって今なんだ




「じゃぁ‥ね」




うつ向いたまま、横を通り過ぎようとした




グッ



「っ‥ιトビ…君?」


「チビ、顔あげぇ」



僕の腕を掴んで、静かに諭すように言うトビ



ドクンッ




駄目だ


駄目だよ‥



もう僕は必要ない

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