おぞフラ☆番外編

□こどもの日スペシャル!おふくろといっしょ
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大型連休も、今日を含めて残り二日となった。
フラッシュとオーロラは連休中は毎日のように二人で外出している。
昨日までは伊豆で過ごし、今日からは東京都内でのデートを始めた。
今日のデート地は池袋。サンシャイン近くに、何やら大きな物置のようなものが出来ていたのだ。
それを見たフラッシュとオーロラは、
「…なんだあれ?イナバ物置か?」
「わぁー、きっと100人乗っても大丈夫なのね!」
「きっと、あの中には100人の人間が入ってるんじゃないか?」
「ふふ、見に行ってみましょう!」
フラッシュとオーロラは、腕を組みながら、イナバ物置っぽいものの中へと入っていった…

「…はっ!」
フラッシュとオーロラが気がつくと、そこはライブハウスのような所。
しかも…
「フ…フラッシュ!わたしたち…こどもになってる!」
「まえにもこんなことなかったか?…まあいいや、でようぜ」
「まって!なにかはじまるみたいよ!」
オーロラは、その『何か』に興味深々である。
「…………。
…わかったわかった、すこしだけだぞ」
フラッシュは、子供になっても優しい。

ステージの上には、巨大な象の着ぐるみと、大人の男女がそれぞれ出てきた。
「やあ!みんな、こーんにーちはー!」
男がそう言うと、『こーんにーちはー!』と、子供達も挨拶をする。
「みんなー!うたのおねえさんですよー!」
女…うたのおねえさんがそう言うと、会場は急に盛り上がる。

「そして僕はうたのおにいさん!
みんな、今日はおもいっきりあそぼうね!」
『はーい!』という子供達の返事が返ってくると、うたのおにいさんとおねえさんは、二人で仲良く歌い出した。
そんな二人を見たオーロラは、
「すてきねぇ…。あんなこいびとどうしに、わたしもなりたい。」
するとフラッシュは、
「…もう、なってるよ」
そう言い、小さなオーロラの唇に自分の小さなそれを重ねた。
会場が暗く、みんなの視線がおにいさん達に向いているうちに…。

ステージはその後も着ぐるみショーをしたり、おねえさんが書いた、あまりにもひどい象の着ぐるみキャラの絵を見て、隣にいたおにいさんや子供達が大爆笑したり…楽しい時間を過ごした。


ステージが終わり、子供達がライブハウスから出ていくと、不思議な事に、子供達は全員大人になっていた。
もちろん、フラッシュ達も。
「あ…、もどってる…。」
そして、ライブハウスから出てきたはずが、さっきの物置から出てきたようだ。
おまけに、物置を覗いても、誰も何も入っていない。
「…今のは、なんだったんだ…?」
頭をかかえるフラッシュに、オーロラはこう言った。
「なんでもいいじゃない、だって今日はこどもの日なんだから。」
「…そうだよな。」
フラッシュとオーロラは、また手を繋いで、サンシャイン通りの人込みの中へと消えていった。


おしまい
 

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