おぞフラ☆番外編

□薔薇の花咲く頃
1ページ/1ページ

『ロラへ

今週の日曜日、横浜の山手234番館にあるバラ園に来い。

丸出し』

オーロラの元にこんな手紙が来たのは、金曜日の事だった。


(…で、ロラを誘ったがいいが…

どう告白すればいいんだ!)
丸出しは、あまりに恥ずかしいのか、目の前にいるオーロラから目を反らす。
「あの…丸出しさん?」
オーロラは、丸出しの顔を覗き込む。
「い…いや、なんでもないんだ、ちょっと待ってろ!」
丸出しはそのまま、走り去ってしまった。
「あ…っ、丸出しさんっ!」


「…というわけだ、俺様に力を貸してくれ!」
『う〜ん…俺にどうしろと言われてもなぁ…。』
丸出しは、親友である熱血ベジタリアンに電話をかけていた。
内容はもちろん、恋愛相談である。
『もうさ、はっきり好きだって言えばいいんじゃないか?ほら、帰ったら野菜を贈るから!』
「いや…野菜はいらない。」

丸出しはこう見えてもシャイな人だった。美しいバラの下には美しいオーロラがいる…。丸出しでなくても惚れる人はたくさんいるであろう。

(でも…こうしてる間にも他の奴がロラを…?

いやだ!…いやだあああ!)
丸出しは走った。バラの下へと。

「ロラァァァァァ!



好きだぁぁぁぁぁ!!!」


丸出しは、バラの下にいる人物を、無我夢中で叫びながら抱きしめる。


「丸出しくん…。」
「…へ?」
低い声に驚いた丸出しは、抱きしめた人物の顔を見上げた。

「フ…フラッシュ…!?」
「丸出しくん…。」
丸出しが告白し、抱きしめた人物はオーロラではなく、なんとフラッシュだったのだ。
「…へぇ〜、丸出しさんはフラッシュくんに告白するのを私に見せたかったのね!フラッシュくん連れてきてよかった♪」
「え!?ロラ!ロラ〜!!!」
「おしあわせにね!」
オーロラは、そのまま中華街へと向かう道へと去っていった。

「…丸出しくん、嬉しかったよ。」
「フラッシュ…。」
二人が恋愛に発展したのかは、誰も知らない。


おしまい
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ