DRAGON BALL

□愛情表現
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俺の脳内をそのまま天気にしたかのような曇りの日。


『トランクスのバカー!』


俺は神殿でピッコロさんに名無しさんの動画を見せていた。


「ふむ…」


「ど、どうでしょう」


つっけんどんな名無しさんに好き、と伝えてから1ヶ月。

甘くもない、苦くもない。

なんというか…距離が開いたような日々が続き、不安になった俺は心が読めるピッコロさんに相談に来たのだ。


「わからん…本人がいなければ心は読めんのだ」


「そうですか」


残念。そう思い帰ろうとした矢先ピッコロさんは凄まじい事を言った。


「連れてこい」


「はぁーい。……え!?」


「さっさとしろ」


「無理です!嫌われたらどうするんですか!」


「ほぉ…言うことが聞けんか」


「ひぃ!い、行きます!行きますから気弾撃たないでください!!」






そして、現在。








降ろせぇえと暴れる小さな生き物をピッコロさんの元へ連れてきた。
安全な場所へ、そっと降ろすと見たことないようなスピードでポポさんの後ろへ隠れてしまった。


やはり、嫌われているのだろうか。
そんな不安が過る。が。


「照れ隠しだな」


「え」


「こいつは下界でいうツンデレとかいうやつかもしれん。」


じゃあ俺の事は…嫌いじゃなくて…


「むしろ大好き、だな」


俺をみて不敵にニヤリと笑う。


「ミスターポポ!そいつを連れてこい!」


『!!』


ポポさんの肩にひょいっと担がれ、ピッコロさんに手渡される。

拾われた猫の様な姿勢のまま、名無しさんは真っ赤な顔で涙目で、全力で叫んだ


『だいっきらいだバカー!』


「はい」


ツンデレ、か。


『嫌いだから!』


「はい」


素直じゃない…いや、素直になれない、かな


『ばか!』


抱き締めたとき、噛んだのも照れ隠しかな。そう思うと目の前の名無しさんが今まで以上に可愛く見えて。

ピッコロさんの「素直になれ」なんて追い討ちで泣き出して。


『大好きだバカー!トランクスのバカー!』


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