book1
□12
1ページ/3ページ
クレープの落ちた音がして
ハッと気がついた
先輩の体を力任せに押して、屋上を出る
止まらない涙なんかどうでもいい
何が起きたか.ただそれだけが脳内で渦巻いていた
「マサちゃん!?」
聞き慣れた声に振り向くと
葵「どうしたの!?」
影山「何で泣いてるんですか!?」
葵ちゃんと輝が息を切らして追いかけてきた
狩屋「葵ちゃん…輝…」
葵「取りあえず、人が居ない所に行こっか…」
影山「さっき空き教室見つけたからそこに…」
焦ったような2人に連れられ、目元を無造作に拭う
なんで止まらないんだよ
早く泣きやめ、くそ
影山「マサキちゃん、これ…」
おずおずと差し出されたハンカチ
狩屋「ありがとう…」
ハンカチ所持してるって女子力高すぎだ
狩屋「(まだ涙止まらない…)」
葵「事情ちゃんと聞かせて…?」
葵ちゃんまで泣きそうな顔されたら、素直に話すしかないじゃないか
やっと泣きやみ始めた頃
俺はゆっくりと口を開いた
狩屋「あのね…」
俺、霧野先輩の考えてること分かんないよ
⇒