book1

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クレープの落ちた音がして

ハッと気がついた

先輩の体を力任せに押して、屋上を出る

止まらない涙なんかどうでもいい

何が起きたか.ただそれだけが脳内で渦巻いていた


「マサちゃん!?」


聞き慣れた声に振り向くと


葵「どうしたの!?」

影山「何で泣いてるんですか!?」


葵ちゃんと輝が息を切らして追いかけてきた


狩屋「葵ちゃん…輝…」

葵「取りあえず、人が居ない所に行こっか…」

影山「さっき空き教室見つけたからそこに…」


焦ったような2人に連れられ、目元を無造作に拭う

なんで止まらないんだよ

早く泣きやめ、くそ


影山「マサキちゃん、これ…」


おずおずと差し出されたハンカチ


狩屋「ありがとう…」


ハンカチ所持してるって女子力高すぎだ


狩屋「(まだ涙止まらない…)」

葵「事情ちゃんと聞かせて…?」


葵ちゃんまで泣きそうな顔されたら、素直に話すしかないじゃないか

やっと泣きやみ始めた頃

俺はゆっくりと口を開いた


狩屋「あのね…」


俺、霧野先輩の考えてること分かんないよ



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