book2

□未来予想図
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※付き合ってる前提蘭マサ♀


小さい頃から独りで居ることが多くて

お日さま園に預けられてからは、自分から独りになった

それが辛くて苦しくて

あの人に出会ってなかったら、今もまだ独りだったかもしれない

その人は俺の猫かぶりを一瞬で見抜いて

人の入ってほしくないところにズカズカ入ってきて

眩しい笑顔で俺の名前を呼ぶんだ


「マサキ!」


好きになって付き合って

幸せなんて言葉じゃ伝えきれないくらい幸せだ


「どうしたマサキ
今日はやけに静かだな」

「別に、そんなこと無いですよ」

「嘘つくときのその癖直してから言え」


俺は嘘をつくとき、ほんの少しだけ目が揺らぐらしい

1番初めに気づいたのがこの人だ


「なにがあった?話してみろ」


ツインテールを揺らして俺の顔を覗き込んでくる


「…俺.今すごく幸せです」

「俺もだ」

「でもいつかこの幸せが壊れそうで怖いんです

…また独りになるんじゃないかって」


いつの間にか溢れていた涙を慌てて拭こうと顔を両手で覆う

何泣いてんだ、俺


「あのな、マサキ」


覆っていた両手を掴まれて、無理やり顔を見てくる


「俺はお前を独りにしないし、お前はこれからも俺が幸せにする」

「俺が、って…」

「大人になってもずっと一緒だ」

「……プロポーズですか?」

「っ!//
ま.まあ、そんなとこ」


顔をほのかに赤めて照れる姿を見て、思わず笑ってしまった


「何笑ってんだよ!//」

「大人になった俺たちが想像できないなって思って」


霧野先輩の女顔は大人になっても健在だろうな

俺はもう少し女らしくなって
るかな

考えれば考えるほど笑えてしまう


「住むなら一軒家がいいです
小さいお庭付きの」

「いいな、子供と一緒に遊べる」

「子供って…、気が早いですよ」

「そんなことないさ
俺.双子の子が欲しい、男の子と女の子」

「男の子の方が先輩似だったら可哀想ですね」

「どういう意味だ」

「先輩みたく女の子に間違えられるんだろうなって」

「うるせえ」


軽く頭を小突かれた

だって本当のことじゃないですか


「マサキは大人になっても自分のこと"俺"って言ってんだろうな」

「仕方ないじゃないですか
"私"って言うの柄じゃないんだから」


目があって、自然に笑いがこみ上げてきた


「(あ.プロポーズの返事してない…)」


まあ.いっか

時間なんてこれから先いくらでもあるんだから



未来予想図

2人で居ることが絶対条件



⇒おまけ
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