□お前だけは信じてたのに!
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「ねー先輩。どの服が好き?」

「は?」


突然ラボに呼び出されたと思ったら、ずらりと並べられた様々な服。

見たことある物ばかりで、というかクルルの私物の服で、クルルは適当に一着ひっつかんで見せてきた。


「これ、好き?」

「…それは確か…深海王…だかなんだかって服だよな?」

「俺、先輩の砲撃王の衣装好き」

「…え、ああ、そうか…」


俺はあんまり好きじゃないんだがな。

まあでもクルルが好きだと言うなら、まあ、たまに着てみようか。


「で、この服好き?」

「あ、ああ」

「そう。…んじゃこっち」

「それは奇術師か」

「くくっ!魔女っ子可愛い?」

「魔女っ子って…」


いやまあ、確かに可愛いがな。


「先輩?」

「う……あ、ああ、可愛い」

「好き?」

「す、好きだ」

「ん。…ならこっちは?」

「…藪医か」


上着だけを羽織るクルル。

袖が長いのか、手が見えない。

…可愛い、よな。うん。


「好き?」

「ま、まあ」

「くくっ先輩顔真っ赤」

「うるさい」

「ククク〜!…んじゃこっちは?」


次に取り出したのは、どう見たって女物の服。

確か…セーラー服、だったか?


「好き?」


いや、好きとか以前に、何でそんなもん持ってるんだ。

いつ着るんだそんなもん。

…いや、既に着たのか?
だとしたらいつ、どこで。
誰に見せた?
少なくとも俺は見たこと無いぞ。


「ギロロ先輩?」

「……」

「…嫌い?」

「……いつ着たんだ」

「え?…ああ、コレ?いつって…あードロロ先輩に着させられたっつーか」

「は!?ドロロ!?」


予測しなかった名前に、思わず目を見開いた。

ドロロってそっちの趣味があったのか?
いや、それより何でクルルに着せた?
アイツも、クルルが、好き…なのか?


「……ドロロか」

「そうそう。以前なんか変なモンに取り憑かれてたことあったっしょ?」

「変なモン…?」

「先輩も被害にあったでしょーが。記憶ないんすか?アンタ的にされてただろ」


……そう言えば、確かに、あったような気がする。


「あの時に俺やられたんすよねェ。縛り付けられて着せられた服変に脱がされてさァ」

「…ッッ!?」

「隊長とモアにスゲエ笑われ…って……先輩?」


縛り付けられて、脱がされた…?

いくら取り憑かれてたとは言え、それはなんでもやりすぎじゃないか?

本当に取り憑かれていたのか?
ドロロがしたんじゃないのか?

まさか、変なことしたんじゃないだろうな…?


「クルル」

「はい?」

「ドロロに変なことされてないか」

「は?…変って?」

「……体を触られたりとか」

「そりゃされたに決まってんじゃん。着せたり脱がせたりする過程で…」

「すまんクルル!急用を思い出した!!!!」

「へ」










お前だけは信じてたのに!






「ドロロ貴様ああああああっ!」

「ドロッ!?なっなにギロロくっ…イヤアアアアアッ!?」




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