□知らなかったキミを知る
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ちょっと侵略兵器のことで相談があって立ち寄ったラボ。

中に入ってまず驚いたのは監視モニターが増えていること。

俺のテントにまでいつのまにつけたんだというくらいのおびただしい数。


「(…コノヤロウ)」


モニターを壊してやりたい衝動に駆られながら、取り敢えず文句を言ってやろうとモニター前に堂々と置かれた椅子に近付いた。


「おいクルル、いい加減に――…」


そこで、再び驚いた。

何故だか泣きながら椅子に凭れて寝ている奴の姿。


「……クルル…?」


声をかけるが無反応。

規則正しい呼吸は、確かに寝ている証拠。

余程疲れているのかは知らないが、目の下にはくっきり隈があるし、メガネでよく分からないが赤くなっているようだ。


「…泣いてた…のか?」


そういや泣いているクルルなんて、初めて見たんじゃないだろうか。

普段からは考えにくい様子に、流石の俺も心配になる。

泣くほど怖い夢を見ているのか、悲しい夢を見ているのか、寝ながらにして涙は止まらないクルル。

泣いてしまうくらいの事があったのだろうか。


「…クルル」


ぎこちない動きで、クルルの涙を拭った。

こんな所で寝たら風邪を引くかもしれない。

せめて布団をかけてやらないと。


「……せんぱい…」

「!」


突然の声に驚いて、起きたのかと顔を覗くも、クルルはむにゅむにゅと変な声を出して、また規則正しい寝息を立てた。

どうやら寝言らしい。


せんぱい、と言うことは、俺か…ドロロが夢に出ているのだろう。

ただ、少し眉をひそめているから良い夢では無いようだ。


拭ったはずの涙が、またつぅっと流れ落ちる。


「……クル、」

「…ギロロ先輩……」


……俺の夢か。

泣くほどの夢を見ているのか、コイツは。


「……行かないで…先輩……」


…怖い夢でも見ているのか?

怯えているようには見えないが…どんな夢なんだ。


「……」


行かないで、か。

意外に可愛い事も言えるらしい。

いつもこれくらい可愛げがあれば好かれるだろうに。


「…せんぱい…」


…仕方ない。

見て見ぬ振りもなんだし、少しだけ安心させてやろうか。


そう思って手を伸ばし、クルルの涙を再び拭ってから言い聞かせるように囁く。


「…側にいるから、安心しろクルル」


だから泣くなと言ってやれば、段々と和らいでいく表情。

直ぐに幸せそうな顔をして、クルルは小さく笑った。


不覚にも、そんな表情にどきりとなったりして。


「……クルル」


あどけない寝顔は、普段のクルルからは想像出来ないほどに可愛い。

やはり何だかんだ言っても、まだまだ子どもなんだなと苦笑した。








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思わずキスをしたくなるこの感情は、いったい何なのだろうか





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