□俺達の共通点
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「先輩さ、類は友を呼ぶって地球のことわざ知ってるかい?」

「…なんだそれは」


ああやっぱり知らないか。

先輩に寄りかかりながら、小さく笑う。


「まあ意味はそのまんま、似通った奴らが集まって来る、って事。友達とかによく使うみてぇなんだけど」

「……だからなんだ?」

「俺たちケロロ小隊もさ、何となくだけどそんな感じするよなァって」

「……ほう?例えばどこがだ」

「んー…まあ、平たく言ったら馬鹿ってとこ」


侵略馬鹿、ただの馬鹿、お菓子馬鹿、地球馬鹿。

そんでもって俺は、恋愛馬鹿ってとこだろうか。


「…共通点で言うなら、まだあると思うが」

「ん?」

「仲間思いとか…あとは全員問題児ってところだな」

「問題児か、そりゃ確かになァ」


いろいろと、要らん肩書きの寄せ集めみたいな小隊だし。


「あとはなんスかね。俺と隊長だと悪戯繋がり?」

「そうだな…くだらなさと後々の迷惑を考えない辺りは似てるな」

「……迷惑…?」

「そうだろ」

「……そうッスか……迷惑なんだ…」

「…クルル?」

「……せんぱい…俺のこと迷惑だったんだ…」

「いや、すまんっ違う、クルルの悪戯は迷惑じゃないぞ!?」


慌てて振り向いて俺の肩を掴む先輩。

あらま、本当単純。


「ククッ、騙されやすくて単純なのは、隊長とドロロ先輩にそっくりッスよね」

「おいコラ」

「嫉妬深さ繋がりだと、先輩はタママと似てるよなァ」


あと、俺も。


「…ほう。分かってて貴様は嫉妬を煽ることを度々するのか」

「…く?…え、俺なにかしましたっけ?」

「はぐらかしたりとぼけたりする所は、ケロロとタママにそっくりだな」

「いっ、痛ェ!」


ぎりぎりと肩を掴む手に力が入る。

本当に分かんねえって言っても、聞かなそうだなこりゃ。

こういう頑固な所はドロロ先輩そっくりだ。

なんて思ってる間にも、力は緩まることを知らない。

だけどその怒りは、俺にとっちゃ嬉しい事で。


「…っ先輩…嫉妬してくれてたんだ…」

「……悪いか?」

「んーん…嬉しい…」

「…嬉しい?」

「うん」


いつもいつも、俺ばっかり気にしてるって思ってた。

先輩は、嫉妬なんかしないって思って。


「先輩の事…好きだから、俺、嫉妬されて嬉しい…」

「!」

「いっつも、俺ばっか嫉妬してんだと思ってたから…」

「……クルル…」


力が弱まって、今度は優しく抱き締められた。


「…クルル…好きだ、クルル」

「……ん」

「……なあクルル」

「なに?」

「さっき、類は友を呼ぶとかなんとか言っていたが、ひとつだけ訂正してもいいか?」

「……?」


先輩はゆっくりと俺を押し倒して、軽く触れるキスをした。


驚いて先輩を見たら、優しい顔で笑いかけてきて。


「俺たちは友達じゃなくて……恋人だろう?」

「……あんた本当…恥ずかしい奴だよなァ…」


だけどまあ、そういうところも大好きなんだけどさ?













「またみんなにバカップルって言われちまうなァ」

「良いんじゃないか?俺は別に構わない」

「…ククッ!ほんと、俺たちバカップルだわぁ」





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