□返品不可。
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「……何だ、それは」


俺を見て開口一番、訪ねられた俺はおもしろおかしくて思わず笑ってしまう。


「ククク!何か、なんて見りゃ分かるだろ?あんたの愛しいクルたんです」

「………、そういうことを聞いているんじゃない」


俺の言葉にうっすら赤くなった頬。

可愛い反応。
そんなギャップも好きすぎてつらい。


「……何なんだ、その、リボンは」


体も手足も、リボンでぐるぐるに巻き付け飾った俺。

自由に動くのは足くらい。


「何って、プレゼント」

「…プレゼント?」

「そう。あんたに俺様をプレゼントフォーユーですよォ」


そう言えば、途端に真っ赤になる先輩。

鼻を押さえるもんだから、何かよからぬことを想像したに違いない。


「…ギロロ先輩のえっちぃ」

「なっ!?ば、バカを言うな!!」

「くくっ!」


あーおもしれえ。

いちいち反応が大袈裟なんだよ。
まあそーいうところが、好きなんだけど。


「で?貰ってくれるぅ?」


こんな恥ずかしいことしてやってんだからさ、俺の期待には勿論イエスで応えてくれんだろ?

なんて見つめていたら、先輩は大きなため息をついて顔を逸らしてしまう。


まさか要らないなんて言うつもりだろうか。

…それならそれで、奥の手があるけど。


「クルル」

「く?」

「……そんな事をしなくても、いい」


…そんな事?


なんて思ってたら、優しく抱き締められる体。

特に振り払う気分ではなかったので、おとなしく身をゆだねる。

俺の好きなにおいだ。
…凄く安心する。


「…心配するな。俺はお前を離すつもりはない」

「…!」

「離してやるものか。…俺は、お前が居ない世界には居られる気がしない」

「………く、くく、スゲエ台詞だねェ…」

「茶化すな。…これは本音だ。俺はお前が好きだ、クルル」


……なんだよ。バカ。

オッサンのくせに。俺を泣かせようなんて。


「………ギロロ先輩」

「ん?」

「……クーリングオフ、不可ですけど」

「誰が返すか。…お前は俺のだ」

「……取扱いには要注意ッスよ」

「そんなもの、とっくに心得てる」

「………………毎日、構ってやらないと、拗ねる」

「…俺も、毎日お前と居ないと調子が悪い」

「……………好き」

「ああ。…愛してる、大好きだ……クルル」

「…ん」













「ギロロ先輩、永遠に俺様と契約してくれるぅ?」

「契約…結婚か?ああ、構わないぞ」

「……………………、アホォ」









1024 Happy Birthday

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