展覧室
□幸福
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「ねぇ、キラ」
「なにかな、アスラン?」
「散歩、いこ?」
疑問形を疑問形で返すアスラン。
「うーん……」
キラは首を捻ってしまう。
今、夜中の12時だよ。それで散歩??
「だめ、かな??」
アスランは下から上目遣いでキラを見上げる。
狽ョふぅ!!そんな風に見られたら、OKするしかないじゃない!!
「だめぇ??」
「いいよ」
「やった!」
花が咲いたように笑うアスラン。
僕もアスランには甘いよなぁ。
と、つくづく思ってしまうのだった。
「でも何でこんな真夜中に散歩するの??」
「夜風に当たりたいだけだ」
「なら、ベランダであたればいいじゃない」
ベランダを指差していえば、アスランはほっぺをぶっ、と膨らませる。
「それじゃつまらないだろ」
「つまらない、って……」
でも、夜中の12時だよ……。
「それに、君はもう一人の体じゃないんだからね!夜中に出歩くのはよくないよ」
一瞬アスランはきょとん、とした顔をする。
「だからキラと行くんだろ」
すぐに反論されたけどね(涙)
「一緒にベランダに出てあげるから、ね?」
「やだ!」