詩・短編

□初恋の紅
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人間とはどうしてこんなにも面倒なものなのだろうと思う

別に生きてるものが嫌いなわけじゃない

ただ、人間が嫌いなのだ

その証拠に私は人間以外を手にかけたことはない

要するに、私は心があるものを嫌っている



その逆にただ生きているだけの植物や野生の獣だとかは懸命でいとおしく感じる

余計なことなど考えずに生きることに必死な姿は愛らしい

人間もただ生きていればいいのだ

それ以上に何を望むというのか

…私が言えたことじゃないけれど



そう言ったら面白そうに笑った人がいた

私は普段はどこにでもいるような(少し思考が変だとかは言われるけど)学生で、その人もただの教育実習生だった

世間は私の事件よりももっと他のことを日夜騒ぎ立て、私の周りは実に平和である

この平和が崩されて私が猟奇的殺人犯として捕らえられた時、友達や家族はどんな顔をするのだろう

少しだけ、見てみたい気がする



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