詩・短編

□初恋の紅
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欲するのは満たされないから

異常者なんて呼ばれても否定は出来ない

普通じゃないのだけは自覚している



何かと理由をつけて丁寧に説明したなら人は理解するだろうか

私を歪ませたのは冷たく厳しい社会であって私自身は悲劇のヒロインであるということ

けれど今更そんなことが知られた所で私の罪は消えはしないのだからどうでもいいことだろう

第一、人間味のない狂った殺人鬼として扱われた方が美しいと思う





生々しい温かさと香りが私を包む

どこまでも赤い、原形など留めない肉片

温度を失くしていくそれらはただの物質

もう動いたりはしない、生き物ではなくなった、ただの生ゴミなのだ

この、元は人間だったものの家族やら関係者やらはこれを満て泣くのだろうか

生ゴミに向かって啜り泣く(または号泣する)人々

きっと愚かしくて笑えるんだろう


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