家庭教師ヒットマンREBORN!

□甘い、あまい
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2月14日の午後。

『今日はバレンタインデーということで、並盛デパ地下の人気チョコレート特集をお送りしまーす』

テレビに映し出される、美味しそうなチョコレート。
「うまそうだな」
「そうだね」
「今日はバレンタインか」
チョコレートを紹介する女子アナの姿を見て、今思い出した、とでも言いたげな、驚いたような口調。
「暦の上ではね」
雲雀は特に気にする様子もなく、冷静に言う。
「学校大変だっただろ」
“大変”という言葉にはいろいろなニュアンスが込められている。
「まあね」
「…没収したのか?」
「当たり前でしょ。それが僕の仕事なんだから」
「…かわいそうに」
「どこが。持ってくるなっていう忠告を無視した奴らが悪いんだよ」
ディーノの呟きに反応して冷たく言い放つ雲雀。
うんざりしている様子で。
「でも、普段言えないことを言いやすくしてくれる日なんだぜ?すこしは大目に見てやってもバチは当たらないと思うけどな」
「愛だとか恋だとか、そうやって浮かれて群れるのが気にいらない」
「…群れる、か…」
チョコレートを持ってきた生徒をかばうような発言をしたのは、一般論か。
人間の良心か。
…それとも。
「もうバレンタインなんてなくなればいいのに」
「…きらいか?」
「忙しくなるからね」
「………。」
「………。」
こうして、無情にも時間はすぎていった。
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