大体置き場。

□優しい腕の中に
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「俺レオンて言うんだ。お前は?」
「……セリオス」
「セリオスか。これからよろしくな、セリオス!」

 第一印象は、明るく馴れ馴れしい奴、だった。

「貸せよ、持ってやる」
「……いい」
「重そうじゃねぇか」
「持って重いのは君も同じだろう?」
「ああほら、やっぱり重いんだ」
「っ、」
「半分持ってやるから。それならお互いそんな重くないだろ?」
「……あり、が、とう」
「いいって。気にすんな」

 見ている内に、その自然な優しさに気付いた。

「どーしたセリ、ぼっとして」
「べ、別に何でもっ、」
「顔赤いぞ? 熱でもあるんじゃ」
「何でもないっ!!」

 彼への想いが抑えられる限界に限りなく近くなっていた頃になって漸く、惹かれているのだと自覚した。

「好きだ、セリ、」
「……、僕、も、好きだ」

 通じ合った想いに、泣きそうになった。

「ん、あ、レオ、ン、」
「セリっ、」

 何度も身体を重ね、愛を確かめ合った。

「レオン、」
「んー?」

 抱く想いはきっと、お互いに同じだから。

「好きになってくれて、ありがとう」
「こちらこそ」

 優しい腕の中に、いつまでもいたい。

 ――彼の、腕の中に。

 
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