ゲーム短編小説置き場

□premontion         ―予感―
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 「…………………」
 「……………………」

 辺りには、ただ沈黙があった。
 刹那は内心困り果てていた。少し離れた所には、自分の父――ルシファーがいる。刹那は、物心ついた時には行方不明だった父親と一緒に住んでいる。


 デビルチルドレンとしての使命が終わったと同時に、父と過ごせる平和毎日が訪れた。父は唯一の肉親で、たとえ悪魔だろうとそれは変わらないことで、だからこそ刹那はそれを快く受け入れた。
 だが、やはり12年間の溝は浅くはなく、時々会話が途切れて沈黙が辺りを征すことがあった。今もそうである。
 普段は刹那が話題を出すのだが、いかんせん今日は話しが続きそうなネタがない。


 「……そういえば、ゼブルはどうしてるんだ?」


 どうしようかと、冷や汗をかいていると、ルシファーが突然口を開いた。
「へ!?あ、ああ高城君?あいつなら俺達と一緒にまた学校に通ってるよ。
……まぁ、前みたいな弱気な性格じゃないけど。」
 いつ聞いても聞き慣れない友人の真の名前を聞いて、少しどもりながら父の質問に答える。
 刹那の言葉を聞いたルシファーは、心なしか笑いを堪えているように見える。「父さん、それがどうかしたの?」

 父が笑いたい理由が分からない。高城の以前の性格と今のギャップだろうか。だが、確かに驚いたがそんなに笑うことでもない。

 「…悪いな。少し昔のことを思い出して……。」
刹那の疑問に気付いたねか、ルシファーはそう言った。
「昔?」
「ああ。お前が生まれてから数日経った日にな――」

父の話しに、刹那は耳を傾けた。




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