異界の物語

□第一章・マーグルスから海路へ…
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セレフィス・「以外と早く着いたね。」

アンジェル・「私、空なんて飛んだの初めてよ。風がすっごく気持ちよかった。」

イオン・「それはいいのですが・・・今、そこにいた羊族の村人に聞いたら、契約者は
    森へディーネス退治に出かけたらしいです。その時、長も一緒に行ったとか
    ・・・今は、村にいないそうです。」

ルヴィオン・「森ですか・・・森の方から、ディーネスの死臭がします。それも、
      かなり数が多そうです。」

セレフィス・「じゃあ、助けに行こう。」

アンジェル・「待って・・・行かない方がいいかもしれない・・・」

セレフィス・「何で?」

アンジェル・「私たちの貰った武器ってさ・・・いろんなのがあるんだ。たとえば、
      ウィレッドの武器を見た?小型のハープよ?何で楽器が武器に?って
      思わない?みんな貰った武器って『日常でよく使っていた物』が武器に
      なっているって思うの。ウィレッドは、もともと吟遊詩人なんだよ?」

セレフィス・「吟遊詩人?」

ルヴィオン・「自作の詩を吟唱して各地をまわる叙情詩人の一派のことです。」

アンジェル・「とにかく、ウィレッドは吟遊詩人。彼に村を出てくる前に過去何をやって
      いたのか聞いたら・・・やっぱり小型のハープを持って歌を歌いながら
旅をしていたって言ってたわよ?そして、今回、貰った武器の形がハープ
      ・・・そのハープの音色は敵の脳に刺激を与えて操る事が可能らしいのよ。
      つまり、音波系の武器もあるって事。」

ルヴィオン・「なるほど!」

セレフィス・「それと、私たちが羊族の長の手助けをするのと・・・何が関係してるの?
      よく、わからないわ?」

ルヴィオン・「あのですね・・・この羊族の村はフェニック大陸一、音楽で栄えた村
      なのです。音楽で栄えた村だから、もしかしたら、ウィレッド様と同じ
      音波系の武器ではないかと・・・そう思っているんですよね?私も、
      それには同感ですよアンジェル様」

アンジェル・「そのアンジェル様って言うのやめてよ・・・アンジェルで良いって
      言ってるのにさ。とにかく、音波系である確率は十分に考えられるって
      事よ。」

イオン・「?・・・何か、森の方から聞こえて来ますよ?」

ルヴィオン・「これは・・・角笛の音ですね。羊族の代表的な楽器が角笛です。
      ・・・これが貰った武器なのかはどうか・・・」

村人・「いえっ、これはただの角笛ですよ。ディーネスを全て倒し終わった後は
   ああやって、角笛を吹き村人達に知らせるんですよ。あの笛の音がなっていると
   いう事はディーネスがいなくなったって印です。村に帰ってくるまでに笛の音が
   やめば、それはまた、ディーネスが来たって事です。この村なりの警戒音ですよ。」

イオン・「そうなんですか。情報ありがとうございます。」

村人・「いえいえ、・・・おやっ?笛の音が止んだ・・・」

アンジェル・「って事はディーネスが?」

村人2・「そうです。あなた達も覚えておきなさい。」

村人・「このところ、長もほとんど村にいないのが当たり前になってきてしまって・・・」

村人2・「長はまだ12歳なんですよ」

全員・「ええ!」

村人・「ディーネスが現れるようになって、父方も母方も亡くなって・・・」

イオン・「そうだったんですか・・・」

村人2・「まあ、あなた達も気をつけなさい」

そう言って村人達は去っていった。
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