blue rose bud
□2nd.bud 隊長として
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「探し出す、ってどういうことなの?由羅が‥‥‥‥‥由羅が隊長を引き継ぐんじゃないの?」
そう言う樹里の声は、僅かに震えていた。
「樹里、護廷十三隊の隊長になるには、卍解を修得することが必須条件になってるだろ?それと同じように、舞蒼隊隊長になるのにも、必須条件があるんだ。だが、今の舞蒼隊には、その条件に当てはまる奴はいねえ。だから俺は、俺の後継者を探し出す必要があったんだ。」
「舞蒼隊隊長になる為の、必須条件って何なんですか?」
静かに焔が聞いた。
「幾つかあるけど、最低としては、ある一定以上の霊力を持っていることだ。」
珀栄の言葉を聞いて、暫くの間、沈黙が続いた。
副隊長である由羅とでも、珀栄との霊力の差は大きかったからだ。
「じゃあ、そいつは、舞蒼隊隊長に見合った大きさの霊力を持っているの?」
最初に沈黙を破ったのは、樹里だった。
「今はまだ無いと思う。けど、俺が修行をつければ、直ぐにそれ相応の霊力を持つことが出来る筈だ。」
「それで、仕事をサボるだなんて言い始めたのね。その人に修行をつける為に‥‥‥‥。」
静かに由羅が言った。
「ああ。まだ霊圧のコントロールも出来ねえからな。まずは、そこから教えてやんねえと。」
「霊圧のコントロールが出来ないんだ。それで、昨日の‥‥‥‥。」
「ああ。それのせいで、小さな村の村人全員が倒れたみたいだぜ。」
珀栄の言葉を聞き、三人はゴクリと唾を飲み込んだ。
「死神でもないのに、そこまで霊力が高いなんて‥‥‥‥‥。」
「あいつの場合、霊力が高いだけじゃなさそうだけどな。」
「どういうこと?」
「さぁな。はっきりとはわかんねえけど、もしかしたらあいつは‥‥‥‥。」
確信めいた珀栄の言い方に、三人は顔を見合わせた。
「それは、貴方の直感?それとも‥‥‥‥。」
「まぁ、直感みたいなもんだな。あいつには聞いてみたけど、話したがらなかくて、詳しくは聞いてねえからな。けど、きっと‥‥‥。」
暫くの間、再び沈黙が続いた。
その沈黙を破ったのは、由羅だった。
「焔、樹里、今日の仕事はそこまで!急いで片付けて。」
「「了解!」」
由羅、焔、樹里の三人は、手際良く書類を片付け始めた。
「おい、お前達、何するつもりだ?」
「決まってるじゃないの。二十一代目舞蒼隊隊長殿に、挨拶をしに行くつもりよ。」
「僕達の、次期上司ですしね。」
「あたし達だって、会っておきたいよ!」
三人の言葉に、少し呆れながらも、珀栄は言った。
「しょうがねえな。さっさと準備しろ!」
「「「了解!」」」
命の灯火が
燃え盛る
死を間際にした今
残された力を
精一杯使って
燃え盛る炎は
少しずつ
この身を焦がしてゆく
急ごう
燃え盛る炎が
この身を灰にする前に
与えられし使命を
果たせるように‥‥‥‥
to be continue...