ゼロのアンノウン

□土くれのフーケ
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 トリステイン王国内の貴族は知らぬもの無く、どんなに用心しても誰も後ろ指指さぬ盗賊が居た。その者、強力な土の魔法を使うメイジであるが故に、通り名を「土くれのフーケ」と言った。

曰く、繊細に華麗に獲物を掠め取ったかと思えば、豪快に屋敷を粉砕し強奪を働いたりと、その犯行内容は高価な物の窃盗と、使われる主な手口が「錬金」という、土の魔法であること以外は特に無い。

人種も性別も、人相も背丈すらも分かっていない土くれのフーケ。ただ奴が盗みを働いた後には、『秘蔵の○○、確かに領収いたしました 土くれのフーケ』と書置きが残されるのみである。


しかし最近、前述に加えて妙な噂が飛び交うようになった。



「土くれのフーケには、1人の人間と1匹の巨大な犬のような四速歩行の仲間が居る」


という噂である。
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