けもSS置き場

□それもまた、みりょくのひとつ
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「うぅ………重い」


金縛りにあったみたいに身体が動かない

両腕と足の間に何か乗っている


…予想はついているが


「起きろ、お前らっ!!」


勢いよく布団を持ち上げる
上に乗ってる奴らが転がり、勝手に人の腕を枕にして寝ていたフィオとフェイが足元で寝ていたカバネの上に落ちた


「うにゃおー!」

「みゅ、みゅ〜…」

「んー……むむぅ…?」


一番下で潰されてる割にはカバネがさして気にした様子もなく寝直し、一番上に乗ったフィオには即抗議される
この2匹にとくに堪えた様子はない

むしろ真ん中に挟まれているフェイが一番つらそうだ


「にゃにゃっ!なぁーおー!!」

「安眠妨害したお前らが悪い」

「なぉー!!」

「みゃおー!!」

「んんー!むーっ!!」

「結託するなぁ!!」


フィオにのし掛かられ、フェイは耳元で泣き叫び、カバネに至っては人の腕にしがみつきながら噛み付いている

手加減されてるらしく痛くも痒くもないが…というか、猫相手に一体なにをやってるんだ、俺は


冷静になれば何てことはない

猫は我が侭な生き物なんだから、適当に合わせてやればいいだけじゃないか


「わかった、俺が悪かったから」

「うにゃん?」

「すぐにご飯用意してやるからな」


「ごはん」の一言で、ぴたりと攻撃が止む

やっぱり単純だなぁ


「みっみっ、みゃあー!!」

「んー…っ!んんっ、ん!!」

「ほら放せって、動けないだろ」


ぽんぽんと頭を撫でると、ごろごろと機嫌良さそうに喉を鳴らす



それで満足したらしいフェイとカバネは大人しく離れが、かわりにフィオが尻尾で床を叩きながら無言で睨んでくる


「ほら、フィオも怒るなよ〜…?」

「ぅにゃあー!」


同じように頭を撫でてやると大人しくなる

2匹にとってフィオは姉の様な存在らしく、本猫もそれを意識してようであまり甘えてきたりしない


ちょっと寂しいとか、思ったりもする


「みゃうー」

「んっんー」

「にゃっ!?にゃうあぁーっ!!」


久々に触れたのも束の間で、2匹の鳴き声を聞いた途端にフィオは赤くなり、後を追いかけて部屋から出ていった


「みゃ、みゃあーっ!」

「ん、んんっー!」

「にゃう!にゃおぉーっ!!」

「………お〜い、飯はいいのか〜?」


遠くなる鳴き声と足音
多分、一階に降りたんだろう

放っておこう
どうせ腹が減れば戻って来るんだ


布団に潜り込み、階下で騒ぐ鳴き声を聞きながら二度寝を始める



また、3匹一緒に起こしにくるんだろうな





(にゃ、にゃ、にゃあーっ!!)

(みみっ、みゃうん!)

(んーん、んんんー!!)

(………思ったより早く来たな)





20110125

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