人魚姫｜未来ＥＮＤ
□目覚めの行動
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「…ん、んんー？」
寝苦しさに目が覚める
身体が動かない
「…っ苦しい……！！」
目を開けると目前にアースさんの寝顔
呼吸が聞こえるくらい近くて、視線を動かすと私の身体はアースさんにしっかりと抱き締められていた
寝る前は、こんなに苦しくなかったのに
「アースさん、起きて下さい」
「ん……？」
「力を緩めて下さい。苦しいです」
「………」
「アースさん？どうしっ……」
いつもなら直ぐ目を覚ますのに
声を掛けてる途中で、じっと私を見ていたアースさんが近づき、キスをされる
「………ん？っん、んんんー！」
でもいつもの挨拶のキスよりもずっと長くて、きつく抱き締められてるから動けない
長いキスが終わった頃には、軽い酸欠で頭がくらくらする
私は大きく深呼吸をしたり、呼吸を整えていたけど、アースさんはどこかぼうっとした様子で、私の事を見ている
疲れているんでしょうか？
でも昨日は早くに仕事が終わって、一緒にゆっくり過ごしていたのに
「フェイ」
「？？アースさん、なんですか？」
考え事をしていたら、アースさんが覆い被さってきて、ベッドに押さえ付けられた
抵抗してみたけど、さっきのキスのせいで上手く力が入らなくて
「ひゃん！」
「…いい声だな」
「ふぇ？…え？」
耳元を舐められて、変な声が出る
アースさんはうっすらと笑みを浮かべ、私の服の中に手を入れてくる
「え？…なに？あ…っ！」
何をしているのか解らないけれど、くすぐったいような感覚に声が抑えられない
「なぁ、フェイ」
「ふぁ……あ、あっ…な、に？」
「子供作らないか」
「………え？」
子供？どうしたんでしょう、急に
確かアースさんと私は『婚約』していて、家臣さんが「早く『結婚』して、子供が産まれてくれればいいんですが」って呟いていたから、まだ『結婚』はしていない筈
「いいだろう？」
「はい、構いません。けど…っ」
言葉の途中でキスをされる
これは『子供を作る』ことに必要なんでしょうか？それとも、キスで子供が出来るんですか？でもそれなら、もう子供は産まれていそうですし、それに『結婚式』を挙げて『結婚初夜』というものを迎えなくては、子供は出来ないんじゃないですか？
さっきより短いキスが終わり
「あの、アースさん？」
「なんだ？どうし、た……？」
たくさんの『分からないこと』について聞こうとしたら、ゴンッという鈍い音が響き、アースさんが私の上に倒れ込んだ
「御無事ですか？王妃様」
「え…は、はい……？？」
家臣さんの声、手には分厚い本が一冊
…音の正体はそれですか？
「危ない所でしたね」
「…？？はい。えっ…と、ありがとうございます？？」
とりあえず、お礼を言っておく
…すごい音がしたけど、大丈夫かな
「陛下の事はこのまま放って置いて頂いて構いませんので、王妃様は先に朝食を召し上がっては如何ですか？」
家臣さんが私の上からアースさんを退かせ、彼に手を引かれてベッドから降りる
女中さん達に着せ替え人形のように着替えさせられて、一応アースさんに声を掛けてから家臣さんに手を引かれ、食堂に向かう
アースさんは大丈夫なんでしょうか？
聞きたい事がたくさんあったのに
（どうかしましたか？）
（あの、子供の作り方を知りたくて）
（………王妃様にはまだ早いですよ。時が来たら、ちゃんと教えて差し上げます）
（はい。私、ちゃんと頑張りますから！）
20100925