人魚姫｜未来ＥＮＤ
□同じ温度になるまで
1ﾍﾟｰｼﾞ/1ﾍﾟｰｼﾞ
繋がれた彼の右手と私の左手
少しづつ早く高鳴る鼓動まで聴こえてしまいそうで…
不意に腰に回された彼の左手に抱き寄せられて
数cmもない距離
顔を上げれば交わる視線
何も話さずに流れる静かな時間
繰り返される波の音に混じり聴こえる、小さな鼓動
そっと、目を閉じて耳を澄ませる
私だけではなく彼の鼓動も早く聴こえて
何故か嬉しくて、彼の胸へと頭を預けた
「フェイ…？」
腰に回されていた彼の手が頭へ移動し、私の髪を鋤く
「…もう少しだけ」
私と彼の鼓動は静かに高鳴り続け、触れた合った箇所から体温が伝わる
もう少し
貴方の手から伝わる熱と、私の手から伝わる熱が混ざって
二人の体温が同じ温度になるまで
20090710