人魚姫|未来END
□いぢわるな想い
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「…フェイは本当に、王子の事が好きなのね」
楽しそうに王子との日々を話すフェイに、唐突に告げた私の言葉
「え!?ッ…あ、えと…っ」
言葉を濁して顔を逸らしても、朱に染まった頬に泳がせた視線で答えは分かるわ
…それに、小さく呟くように紡がれた言葉も、ちゃんと聞こえたわ
「幸せ、…なのね。王子が憎いわ」
フェイにしか見せない特別な笑顔で告げた言葉に
「姉さん…っ!」
嬉しそうに普段より幼い微笑みで笑う
…後半部分は聴こえてなかったみたいね
楽しそうに話を続けるあの子を微笑ましく思いながらも
「(いくら王子とはいえ、私の可愛い妹に何かしたらただじゃ済まないわよ)」
言葉にはせず、強く決意する
20090825