小説置き場

□お相手だぁれ?
2ページ/2ページ



力では二人に敵わない為、逃げる事を諦めたフェイがゆっくりと口を開くと


「ねぇ、ケーキ焼いたけど食べな、い……」

甘い匂いと共に現れたキリクが、中途半端に開かれていた扉から顔を覗かせた

「キ、キリクさぁん…」

「………分かってるよ、フェイ」

二人に迫られ、キリクに助けを求めようと名前を呼ぶフェイに、微笑を向けると


「邪魔してごめんね」

パタンと、扉を閉めてしまった

「キリクさん!待って下さい!!」

「そうよ!待って、キリク!」

慌てて呼び止めようとするフェイに続き、エニメニが扉を開いて

「ケーキ残しておいてね!」

「残しておくよ。…じゃあ、ごゆっくり」


キリクを見送ったエニメニは、扉を閉めるだけではなく、鍵も掛けてしまった

「さて、これで心置き無く…」

「え…?あの、ちょっ…!」

それを確認したクオリはフェイとの距離を更に詰めていく


「早めに言った方が身の為よ?」

エニメニもフェイを壁に押さえ付けた

「え?え?なんですかっ…!」

二人の様子にフェイは逃げ出そうとするが

「覚悟するんだな」

「言ったら放してあげるから!」


「え、や…やめっ!…っん!」

伸ばされたクオリの手が身体に触れる

エニメニに押さえられて逃げられないフェイはきつく目を瞑った



結局、フェイの恋人が誰なのか


それは分からないままだとか





20100601
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ