小説置き場
□お相手だぁれ?
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力では二人に敵わない為、逃げる事を諦めたフェイがゆっくりと口を開くと
「ねぇ、ケーキ焼いたけど食べな、い……」
甘い匂いと共に現れたキリクが、中途半端に開かれていた扉から顔を覗かせた
「キ、キリクさぁん…」
「………分かってるよ、フェイ」
二人に迫られ、キリクに助けを求めようと名前を呼ぶフェイに、微笑を向けると
「邪魔してごめんね」
パタンと、扉を閉めてしまった
「キリクさん!待って下さい!!」
「そうよ!待って、キリク!」
慌てて呼び止めようとするフェイに続き、エニメニが扉を開いて
「ケーキ残しておいてね!」
「残しておくよ。…じゃあ、ごゆっくり」
キリクを見送ったエニメニは、扉を閉めるだけではなく、鍵も掛けてしまった
「さて、これで心置き無く…」
「え…?あの、ちょっ…!」
それを確認したクオリはフェイとの距離を更に詰めていく
「早めに言った方が身の為よ?」
エニメニもフェイを壁に押さえ付けた
「え?え?なんですかっ…!」
二人の様子にフェイは逃げ出そうとするが
「覚悟するんだな」
「言ったら放してあげるから!」
「え、や…やめっ!…っん!」
伸ばされたクオリの手が身体に触れる
エニメニに押さえられて逃げられないフェイはきつく目を瞑った
結局、フェイの恋人が誰なのか
それは分からないままだとか
20100601