Silver

□【花火】
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祭見物のウエサマの護衛。ヘマすりゃ確実に首が飛ぶ任務の上に、動いているのがあの過激派の高杉ときたもんだ。

否が応にも俺達の緊張感は高まり−。


のはずが、日頃と変わらぬ場の雰囲気。いや、それどころか祭と言ういるだけでテンションが上がる(らしい)イベントに隊員達はもちろん近藤さんまで温い事言い出す始末。
こんな絶好の機会をあいつが見逃すはずがねーのに。

取り敢えずみせしめに俺が山崎ボコッてるそのすぐ側で、そんな俺の気も知らずにタコ焼きを頬張ってもぐもぐしていたあんた。


それをちょっとかわいいとか思ったのもつかの間、上がる花火に呼応するように湧く異様な空気。


一瞬にして引き締まる顔、すらりと刀を抜く姿。

思わず見惚れちまう程格好良いいのに、邪魔者がそうはさせてくれなくて。


結局祭を中断されカラクリ相手に大暴れ、あんたは刀まで折れるわで散々だった。俺はいつもと同様あんたの為に刀振るえて満足だったがな。
でも、そんな俺も、


「あんたともうちょっと、花火見ていたかったな」


なんて思っちまう程、祭特有の空気にかなり当てられていたらしい。


「いつか二人で、見に行こうな」

一人呟く夏の終わり。






20071201UP

ほんとは花火を見上げる近藤さんをこっそり見つめたいトシ。乙女過ぎ?



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