Silver

□【覚悟】
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「大義ってのは、人一人の命より重いもんかな…俺は、そうは思えないんだがな」

星海坊主とえいりあんの戦いの後、ターミナルを後にし屯所に戻った俺達。二人きりになると近藤さんはポツリと言った。

「まぁ、結局えいりあん止められなかった俺が言えた義理じゃないがな…」

「−何を守りたいかは人それぞれだ、あんたが気に病む事じゃない。だいだいあいつら殺しても死なねーから安心しろ」

“はは、そうだな”と力無く笑う近藤さん。

また次、同じような事があるかもしれない。

その時は、今回のような幸運には恵まれないかもしれない。

あんたは目に入るもの全部守りたい人だから、どれほどの苦悩をこの先味わうのだろうか。

でも、俺が守りたいのはそんなあんたとあんたの真選組だけで。だから他で何が起きても、あんたが無事なら俺が揺らぐ事はねー。

むしろ、俺が恐怖したのは−。

(俺は、星海坊主はもちろん、あの銀髪ヤローにだって…)

まだ、足りない。

“力”が−。

手にした刀をギリッと握り、俺は小さく舌打ちをした。



“守りたいものがあるから−”



今回の一件は、俺達に、真選組にそれぞれ覚悟を新たにさせた−。







20080714


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