ブログ小話置き場2

□未来の推測
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映画のさらば仮面ライダー電王のその後です。
モモ良気味な良太郎総受です。
 
オッケーな方のみどうぞ。

 
 
 
 
幸太郎が無事未来に帰り、一行は電ライナーの中でくつろいでいた。
 
だが、珍しくモモタロスが難しい顔をしている。
 
 
「あれ?モモタロスどうしたの?」
 
良太郎がそれに気付き、不思議そうに尋ねた。
 
「良太郎…アイツ、おまえの孫なんだよな?」
 
「そうみたいだけど…」
 
「って事は、おまえの子供の子供だよな?」
 
「だね」
 
「っつー事は……」
 
 
「あ〜もう回りくどい!」
 
そこでウラタロスが会話を遮った。
 
「つまり先輩は、良太郎が将来誰かと結婚してるのが気に食わないんでしょ?」
 
「なっ………」
 
図星なモモタロスは言葉に詰まる。
良太郎は頭にハテナマークを浮かべながら首を傾げた。
 
「モモタロス、僕が結婚してちゃそんなに嫌?」
 
「っんな事……………良太郎、おまえは嬉しいのか…?」
 
「え……まぁ、少し安心したかな。こんな僕でも結婚して子供が持てるんだ…って」
 
俺がもらってやる!という台詞をモモタロスは飲み込んだ。イマジンの自分と人間の女、勝負はすでに決まっている。
 
そこにウラタロスが宙で人差し指をくるんと回し、言った。
 
 
「養子……だったりして」
 
 
「ヨウシ……って何だ?」
 
「先輩そんな事も知らないの?」
 
ため息をつき呆れるウラタロスに飛び掛かりそうになるモモタロスを、良太郎がなんとか宥める。
 
「モモタロス、養子っていうのは、子供が出来ない人達とかが余所の子供をもらって自分の子供として育てる事だよっ」
 
「……それは結婚してなくてもいいのか?」
 
「え……どうなんだろ、多分大丈夫…かも?」
 
するとモモタロスがたちまち復活した。 
「だよな!子供がいるからって結婚してるとは限らねーよな!」
 
「先輩、すごい変わりよう…。その可能性なんてほんの少しなのに……」
 
「それは言わん方がモモの字の為や」
 
いつの間にか起きていたキンタロスがそっと言う。
 
そしてさらに厄介な事に、今の話を聞いていたリュウタロスが良太郎に飛びついてきた。
 
「良太郎っ、じゃあ僕良太郎の養子になる!そうすればお姉ちゃんとも一緒だし。いいよね?答えは聞いてないっ」
 
「えっ……」
 
焦る良太郎。
だがリュウタロスにはきつく言えない。
 
結局……
 
「ま…まぁ、リュウタロスいい子だしね…」
 
などと言う始末。
 
「良太郎!コイツのどこがいい子なんだよ?!だったら俺の方がいい子だろうが!俺を養子にしろ!」
 
「なに先輩、そのポジションでいいの?じゃあ僕がみんなのお父さんって事で」
 
ウラタロスがさらっと爆弾発言をする。
それにリュウタロスが喜々として跳びはねた。
 
「何々?じゃあお父さんが亀ちゃんでお母さんが良太郎、お兄ちゃんがキンちゃんでモモタロスがペットかぁ」
 
「おいコラ待て!なぁんで俺がペットなんだぁ?」 
「入れてやっただけでもありがたく思いなよ」
 
「こんのクソガキィ〜!」
 
その騒ぎの中、考えていた良太郎が恐る恐る口を挟んだ。
 
「ちょっと待って……僕がお母さんなの…?」
 
「当たり前や!」
 
「じゃあ僕とは夫婦だね、良太郎」
 
ウインクつきで投げキスをするウラタロス。
もちろん、そんな事は彼が黙っていない。
 
「おい亀野郎!テメェ何さりげなくいいポジションについてんだ!夫婦っつったら俺と良太郎だろうが!」
 
「え〜…だって先輩じゃお父さん役は勤まらないよ〜」
 
「何だとぉ?」
 
 
「2人共やめて!!」
 
「「っ………」」
 
良太郎の叫びに周囲は一瞬静まり返った。
 
「りょ、良太郎…?」
 
「みんな、喧嘩はダメだよっ。今はちょっと未来を知っちゃったから、それで混乱してるんだよね?でも僕は僕だから……今はみんなと一緒にいたい、それがホントの気持ち」
 
それでいいんじゃないかな?と微笑む良太郎。 
というか知ったのは良太郎の未来であって、モモタロス達の未来ではない。
なのに本人が1番落ち着いていた。
 
 
「せやせや!今の良太郎の気持ちが1番大事や!」
 
キンタロスに続き、皆納得し始める。
 
「僕も今のまんまがいいなぁ〜」
 
「まぁ、未来なんて変わるしね」
 
「……そうだな」
 
「うんっ」
 
嬉しそうな良太郎を見れば、もはや何も言えまい。
 
 
和やかムードの中、ハナが入って来た。
 
「……どうしたの?あんた達」
 
 
「「………………」」
 
皆一斉にそちらを振り返る。
 
「……いた…………」
 
「1番の可能性…」
 
「何で気付かんかったんや…」
 
 
「はぁ?何なの?」
 
ハナも、そして良太郎も訳がわからずにいた。
 
2人に構わず、イマジン達の討論が始まる。
 
「でもガキだぜ?」
 
「中身は大人でしょ?」
 
「昔は年の差なんて当たり前やったしな!」
 
「僕やっぱり養子イヤかもぉ〜…」
 
そう、イマジン達が知る中で、良太郎が最も親しかった女性……それがハナだった。
 
 
「ちょっと何なのよ?!」
 
痺れを切らしたハナが叫ぶ。 
「いや…何でも?なぁ?」
 
「うんうん」
 
皆慌てて頷く。
 
「とりあえず良太郎、そろそろ家に帰った方がいいんじゃない?」
 
「え?でもまだ……」
 
そんな良太郎の腕をリュウタロスが引っ張る。
 
「僕送ってくからさ〜」
 
「リュウタ…?」
 
「またな、良太郎!」
 
キンタロスはそう言った直後に寝てしまった。
 
「ほら良太郎、さっさと帰ってゆっくり休め!」
 
「モモタロス…」
 
引っ張られながら電ライナーを降りる良太郎。
 
イマジン達の気持ちはひとつ。
 
 
絶対に良太郎とハナを仲良くさせてはいけない!
 
だった。
 
 
 
「私は範疇外なんですね〜…」
 
不満そうに、一部始終を見ていたナオミがそう呟くのであった。
 
 
 
 
 
 
 
――――――――――――――
映画で良太郎の孫が出たので…。
こんなにグダグダ長くするつもりはありませんでした。
ハナさんと良太郎も割とお似合いだと思う。
というか良太郎がみんなから愛でられてればそれでいい。
2008.10.17

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