献上小説置き場2

□未来へようこそ!
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「行っちゃったね…」
 
「……おい綱吉」
 
「ん?」
 
振り返れば、怒りオーラ全開の恋人が。
 
「ザ、ザンザス…?」
 
「テメェ、何だ?今のは。簡単にキスなんぞされやがって……」
 
「じ、自分でしょ?」
 
「俺であって俺じゃねぇ」
 
ザンザスは吐き捨てると、「チッ、あんのクソガキ…」などと舌打ちをする。
それからツナを抱き寄せてキスをした。
 
「んぅ?!」
 
多少乱暴に、深くねっとりと舌を絡ませる。
 
「ザン…ザス…?」
 
「消毒だ。もう二度と俺以外の奴にキスなんてさせるな」
 
「だから自分なのに…」
 
彼には関係ないのだ、きっと。
今の自分以外であれば、過去の自分だろうが未来の自分だろうが敵なのだろう。
 
 
「プッ……」
 
ツナは吹き出す。
それにザンザスはいぶかしげな顔をした。
 
「何だ?」
 
「いや……今のザンザスも可愛いな、って」
 
「可愛い?!」
 
「うん、可愛い!」
 
そう言って抱きつく恋人に、まぁいいかと思うザンザスだった。
 
 
 
 
リボーンがやれやれとその場を立ち去ろうとした時。
ボフンと聞き覚えのある音が。
そして煙が。
 
 
「……………」
 
煙が晴れると、なんと幼い子供が座っていた。
おそらく4〜5歳であろう黒髪の子供。
大きな深紅の瞳。
 
「「まさか……」」
 
2人の声が重なる。
 
「ここは…?」
 
イタリア語。
間違いない。
 
「っっ可愛い〜〜っ!!」
 
さらに幼い、20年前のザンザスだ。
 
ツナは我慢出来ずにまた抱きつく。
今度は軽く持ち上げられた。
 
状況を理解していなくてキョロキョロする幼いザンザス。
それがまた可愛い。
 
 
「おいアルコバレーノ!さっさとコイツを戻しやがれ!」
 
もう勘弁してくれと怒鳴るザンザス。
 
リボーンはため息をつき、もう一度スカルの元へ向かうのだった。
 
 
 
 
 
その後、無事4歳ザンザスは元いた時代に戻り、イタリア某所ではリボーンの罵声とスカルの泣き叫び声が響き、スカルは当分部屋から出て来なかったそうな。
 
ツナはというと、過去の2人ものザンザスに会えてかなりご機嫌に。
それでも、やっぱり今の彼が1番だと思ってしまうあたり自分も相当だなと思うのだった。
 
 
 
 
 
 
 
→後書き
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