献上小説置き場2
□新たな心配
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「沢田、ちょっといいか?」
「うん?どうしたの?」
放課後、ツナはクラスメイトの立川という男子生徒に呼び出され、教室を後にした。
獄寺がついていこうとしたが、ツナが止めたのだ。
わざわざ呼び出すからにはきっと、聞かれたくなかったり見られたくなかったりする事なのだろう。
ツナの言う事とあれば獄寺も逆らう事は出来ず、結局獄寺はのんびりと傍観していた山本と教室に残されたのだった。
その頃、ザンザスは並盛中学校まで来ていた。
沢田家に行くとツナはまだ帰っていないらしく、本人は嫌がるが迎えに行く事にしたのだ。
遅いあいつが悪い。
――ガラッ
ざわめきと共に、ザンザスはツナのクラスのドアを開けた。
そしてさらに教室内でざわめきが起こる。
ザンザスは一通り見渡してツナがいないのを確認すると、呆気にとられていた獄寺の前まで歩いて来た。
「綱吉は何処だ」
「なっ……何でテメェなんかに!!」
「あぁ?」
今にも乱闘が始まりそうな雰囲気の2人に周囲は冷や汗を流す。
だが、そこで救世主が笑って言った。
「ツナなら、さっき立川と出てったのな」
「立川…?」
ザンザスは救世主もとい山本の方を睨む。
「立川ってウチのクラスの奴だよ。なんかツナに用があるらしくって…」
「何処へ行った」
「ん〜……あ、なんか出て行く直前に多目的室とか聞こえたのな」
「それは何処だ」
「この階の1番端の教室だぜ。出て左のつき当たり」
「そうか。助かった」
珍しすぎる言葉を残し、ザンザスはツナの鞄を持って多目的室へ急ぐのだった。