献上小説置き場2

□新たな心配
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そしてその多目的室では、ツナが大変な危機に直面していた。
といっても命の危険ではない。
 
「たっ立川??!!」
 
そう叫ぶツナは、壁に迫られて逃げ道がなく冷や汗を流していた。
目の前には立川と呼ばれたクラスメイトの姿が。
 
「沢田……俺ずっとおまえの事見てたのに、全然気づいてくんねーし……」
 
「えっ?!」
 
立川はさらに続ける。
 
「どうやって近づこうか迷ってたところに獄寺が転入してきて、山本も傍にいるようになって……」
 
そして立川の手がツナのシャツのボタンに触れた。
その手は徐々にボタンを外していく。
 
「立川っ!やめて!」
 
「沢田、自覚あるか?最近すっげー色っぽくなってきてんだぜ?おまえ」
 
「いろっ……?!」
 
「今まで無関心だった奴らもおまえを気にかけ始めた。俺が誰よりずっと前から見てきたのに……!!」
 
そこでツナはブレザーごとシャツを脱がされた。
抵抗してはいるのだが、何せ立川は体操部、腕力では到底勝てない。
 
「っっ!!」
 
立川は現れたツナの可愛い乳首をペロッと舐める。
すると面白い位それはプクッと主張した。
 
「沢田…可愛い……」
 
「〜〜〜っっ」
 
ツナは目に涙を浮かべる。
 
嫌だ、気持ち悪い。
なのに身体が勝手に反応する。
悔しいし怖い。
 
 
だが下の方でカチャカチャという不吉な音がした。
もしやと思い見下ろすと、ベルトを外されている。
 
「やっ…やめてよ立川!!」
 
止めようとするが、逆に片手でこちらの両手を封じられてしまった。
 
 
「やっと俺の、俺だけのものに……沢田…」
 
ズボンを下ろされ、ついに下着1枚になってしまう。
そしてついに、その下着に立川が手をかけた。
 
「ひっ…」
 
嫌だ、嫌だ、嫌だっ!!!!
 
ツナは涙を堪えながら、無我夢中で叫んだ。
 
 
「っっ助けて!!ザンザス――――――っ!!!!」
 
 
 
――バンッ
 
 
 
「「えっ?」」
 
ツナと立川の声が重なり、開かれたドアの方を見る。
そこには真っ黒な存在が。
 
 
「ザンザス……」
 
「……………」
 
ザンザスは下着1枚のツナを見て、その下着に手をかけている立川を見た。
次の瞬間、立川の身体は教室の端まで吹き飛ばされていた。
 
「たっ立川?!」
 
ザンザスの拳により吹き飛ばされて壁にぶつかった立川は、背中の激痛に顔を歪ませる。
だが容赦のない2発目が顔面に決まった。
 
「ぶっ」
 
鼻血が飛び散る。
見上げれば、恐ろしい程怒りに満ちた深紅の瞳と目が合った。
 
「ひぃっ……」
 
ザンザスがまた拳を振り上げた時、ツナがその腕にしがみついて叫んだ。
 
「ザンザスやりすぎ!もういいからっ…」
 
振り向くと、下着姿で必死に腕にしがみつくツナがいた。
だがその身体は震えていて、それが寒さではない事くらいはわかる。
 
「テメェ、何言ってんだ!コイツがおまえに何しようとしてたかわかってんのか?!」
 
「でもっ……彼は一般人なんだよ!これ以上やったら駄目だって!!」
 
「……………」
 
ザンザスは腕を下ろし、立川を見下ろした。
彼は怯え、もはや殴る価値もないように見えた。
 
「ね?ザンザス、もういいから早く帰ろっ」
 
ツナは急いで制服を着て、先程ザンザスが落とした自分の鞄を拾う。
だがザンザスは未だに立川を睨みつけていた。
 
「……おいおまえ」
 
「ひぃっ」
 
呼ばれただけで、立川は悲鳴をあげた。
鼻血はだいぶ止まってきたが、拭う余裕などなかったため顔は血だらけだ。
 
ツナはそんな2人を心配そうに見る。
 
「綱吉に手を出そうたぁいい度胸だ。今回は綱吉に免じてこれくらいにしといてやるが、次に俺のモンに手を出してみろ、二度と表に出られねぇ顔と身体にしてやるから覚えとけ」
 
「はっはいぃぃ!!」
 
立川は声を裏返してそう答えると、慌てて教室を去っていくのだった。
 
 
 
 
 
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