献上小説置き場2

□幼児とネガティブ
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その日は、至って普通の日……になるはずだった。
 
 
 
 
 
 
「隼人〜っ」
 
ベルは学校から帰って来た獄寺に飛びつく。
もちろんかわされるが、それでもめげない。
 
「隼人っ、今日は和食がいい!」
 
「残念だったな、今日はパスタだ」
 
食事は全て……というか家事全般は獄寺の仕事だった。
 
ベルは居候のくせに何もやろうとしない。
全く厄介な奴だ。
しかもいつもヘラヘラ笑っていて能天気で、正直たまに殴りたくなる。
 
 
すると、そんないつもの光景に似つかわしくない人物が。
 
「ちゃおっス」
 
「リボーンさん?!」
 
突然リボーンが現れた。
そして有無を言わさず銃口をベルに向ける。
 
「はっ?!」
 
不意をつかれたベルは、見事に直撃をくらってしまった。
そしてその場に倒れる。
 
「リ、リボーンさん…?」
 
獄寺が恐る恐る呼びかけると、リボーンはいつもの笑顔で言った。
 
「これは試作段階のネガティブ弾だ」
 
「ネガティブ弾?!」
 
「文字通り、撃たれた者は思考がネガティブになっちまう弾だ」
 
「それは……」
 
どこかであったような…?
 
「そうだぞ、ロンシャンの奴が持ってる嘆き弾と似たようなもんだ」
 
そう、そんな事もあった。
確かあれもかなりのネガティブ思考になってしまうのだ。
だが嘆き弾とは違い、ベルは服を着たままだ。
 
リボーンはすぐに「だが」と付け加えた。
 
「ネガティブ弾は嘆き弾とは違って、思考が段々幼くなる傾向があるらしい。つまり、見た目は大人でも中身は子供って訳だ」
 
「はい……?」
 
ていうか今も十分子供だと思うが……。
 
「ま、もって一晩ってとこだ」
 
「一晩?!」
 
結構長い。
 
 
「面白ぇのを期待してんぞ」
 
そう言うと、リボーンは去って行った。
 
 
 
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