献上小説置き場2

□お買物
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彼らと別れた山本とスクアーロは買い物を終え、レジに並んだ。
今度はカゴを山本が持ち、スクアーロはみかんの箱を抱えている。
さすがにカゴと箱を両方持つのは難しかった。
 
 
「いらっしゃいませ〜」
 
バイトらしき女の子が営業スマイルでカゴを受け取る。
そして……顔を真っ赤にした。
 
山本は「またか…」と思う。
スクアーロは日本にいては目立ちすぎるのだ。
その髪もそうだが、日本人の自分から見てもカッコイイ。
道を歩いていても女子高生などがスクアーロを見てキャーキャー言っているのも珍しくはない。
 
「あの…」
 
「あ"?」
 
スクアーロからみかんの箱を受け取りながら、バイトの女の子は恐る恐る尋ねた。
 
「あの…お2人は…お友達ですか?」
 
「………へ?」
 
そう言ったのは山本。
てっきりスクアーロにしか視界に入っていないものと思っていたからだ。
 
「う〜ん……」
 
山本が返答に困っていると、スクアーロが躊躇いなく言った。
 
「いや、恋人だぁ」
 
「なっ…スクアーロっ!」
 
「本当の事だろうがぁ」
 
「そうだけど……」
 
別に隠したい訳ではないが、やはり日本ではまだ同性愛は珍しい方だ…と思う。
反応に困っているだろうバイトの女の子を見るが、そんな事は全くなく、むしろ嬉しそうに目を輝かせて乗り出した。
 
「やっぱり!そんな雰囲気でしたから、そうだと思いました〜っ」
 
「………ん?」
 
何だかむしろ応援されている気がする。
 
そう、このバイトの女の子はむしろ2人に見入っていたのだ。
あきらかに仲の良すぎるこの2人に……。
 
 
会計が終わると、「また来て下さい〜!」と営業スマイルではない満面の笑みでそう言われた。
 
 
 
 
 
 
「……なんか、今日の買い物、いろいろあったのな」
 
「あ"ぁ…」
 
主にあの2人のおかげで、どっと疲れた。
スクアーロはため息をつく。
 
 
「んじゃ、帰ったら大掃除な!」
 
「大掃除ぃ?!」
 
それってまさか……
 
「竹寿司含めて全部だから、毎年大掛かりなんだよな〜」
 
やっぱりか……。
 
 
 
「……武ぃ」
 
「ん?」
 
「帰ったらちょっとキスさせろぉ」
 
「はっ?!何で?!」
 
「そうしたら疲れも吹っ飛ぶからだぁ」
 
「っ……スクアーロって時々…」
 
「時々、何だぁ?」
 
「な、何でもないのなっ!」
 
 
その日、大掃除をヴァリアークウォリティー全開で行うスクアーロの姿があった。
 
 
 
 
 
 
 
→後書き
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