献上小説置き場2

□素直になるのが幸せへの近道なんです
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「ザンザスッ!!」
 
部屋のドアを勢い良く開ければ、優雅に紅茶を飲みながら本を読む執事がいた。
どうやら夕飯までの仕事は終わらせてしまったらしい。
相変わらずの優秀ぶりだ。
 
だが今、いつもは崩れないその顔がほんの少し驚きの色を示していた。
 
「……どうした、綱吉」
 
こんなに勢い良く帰ってくる綱吉も珍しい。
しかも相当本気で走ったのか、ぜーぜーしている。
そしてしまいには少しむせた。
 
「ザッ…ザンザスッ……!!お、俺っ、ザンザスの事嫌いじゃないよっ?!」
 
「……………」
 
ますますポーカーフェイスが崩れたザンザスを見て、綱吉はハッと我に返った。
確かに素直にと言われ、素直になろうと走りながら念じ続けてきたが、いざ出たのがこの言葉。
まぁ間違ってはいない。
だって嫌いじゃないし。
 
 
 
 
ザンザスはとりあえず綱吉を椅子に座らせて紅茶を淹れた。
落ち着いてくると、やっと紅茶を飲んだ。
 
「ふー……あんなに走ったの生まれて初めてだよ…」
 
「で、何だって?さっき愛の告白をされた気がしたんだが」
 
「違くてっ、素直になってみただけなんだよっ」
 
「好きなんだろ?」
 
「違うっ………多分…」
 
どうやら自分自身で気持ちの整理がついていないようだ。
 
ザンザスは面白そうにニヤリと笑う。
そして綱吉にキスをした。
 
「んぅ?!」
 
もちろん、ディープキス。
初めてではない。
今までも無理矢理何回かしてきた。
 
「ザッザンザス?!」
 
「よくわかんねーんだろ?だったら身体でわからせてやる」
 
「は?!ってまさか……」
 
綱吉が青ざめているうちに、ザンザスは彼をベッドへ運び、服を脱がせ始めた。
もちろんいつものように抵抗する。
だが、普段はなんとか逃げきる事が出来るのに、今回だけはどうにもならなかった。
 
「考えてもしょーがねーだろ、おまえの場合。これが1番手っ取り早い」
 
「ちょっ……えっ?!ホントに?!」
 
実は当然ながら、ザンザスは今まで手加減していた。
本気になれば無理矢理抱く事も出来たが、そんな事に何の意味もない。
だが今はどうやら、本人だけが自分の気持ちを認めたくないらしい。
素直になると言っておいて、全く素直じゃない。
 
 
あっという間に全裸にされ、手袋を外した手で体中を撫でられる。
まずは胸、そして腹、最後に大事な場所に触れられた。
 
「んっ」
 
思わず声が漏れる。
それから慌てて口を押さえようとするが、両手は頭の上で押さえ込まれているためそれは叶わなかった。
 
そして自分の分身は、扱かれる度に主張していく。
しかもその間もザンザスは胸の突起を舐めたり歯で軽く挟んだりして愛撫を続けていた。
 
「もっ…冗談……」
 
「冗談じゃねぇ」
 
涙目で見下ろせば、深紅の瞳と目が合った。
いつ見ても綺麗な色。
その目が、本気だと語っていた。
 
「嫌ならもっと抵抗しろ」
 
「こんな状態で出来る訳……アッ」
 
ぎゅ、と少し強く握られる。
その痛みさえも、今では快感となっていた。
 
そして綱吉はあっけなく、執事の手の中に白濁を放っていた。
 
 
 
 
 
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