献上小説置き場2

□些細なすれ違い
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「んぁっ……」
 
熱い塊が自分の中へ入ってくる。
 
「隼人……ゆっくり腰下ろして…」
 
「も、もう無理…っ」
 
ベルはベッドに座り、獄寺はその上で膝をつく形となった。
そしてその膝は小刻みに震えている。
 
「ベ…ベル…っ」
 
「隼人…」
 
「っ?!お、おまっ…今大きく…?!」
 
涙目で真っ赤な顔をしている恋人を見て、そうならない訳ないだろう。
 
「ほら隼人…腰が止まってるよ?」
 
「そ…そんな……」
 
どうやらもう動けないらしい獄寺。
ベルは嬉しそうに笑い、目の前の細い腰を掴んでゆっくりと自分に引き寄せた。
 
「アァッ!!」
 
奥まで届き、全身が震える。
ベルは我慢出来ず、獄寺を押し倒した。
体勢が変わったため、獄寺が呻きと喘ぎを漏らす。
 
 
「隼人……」
 
「っ…」
 
上から見つめられ、獄寺はドキッと心臓を高鳴らせる。
ベタだが、そうなってしまったのだから仕方ない。
 
ベルは優しいキスを贈ると、ふと動きを止めた。
 
「ベル…?」
 
「……隼人、1コだけ聞いていい?」
 
「あ…?何だ…?」
 
本当はこの止まっている状態はお互い辛い。
だが、ベルにはどうしても確認しておきたい事があった。
 
「今朝言ってたのって…やっぱり反対…?」
 
「今朝……転入の事か…?」
 
「うん」
 
獄寺はじっと見つめ返し、言った。
 
「………反対だ」
 
「何で?絶対騒ぎ起こさないし、おとなしくしてるしっ」
 
「……だっておまえ…この前ふざけて並盛の制服着てただろ」
 
「あぁ、うん」
 
「そっ……それがちょっとカッコよかったんだよ!!」
 
「え…?」
 
「ちょ、ちょっとだぞちょっと!でもそれで馬鹿な女子達が騒いだりするとなんかムカつくし…………ってうわっ!おまっ…いきなり動き出すな!」
 
言い終わらないうちに律動を開始され、獄寺は騒ぐ。
だがベルは愛しい恋人の顔を見ながら一心に己の欲望を彼に突き上げていた。
 
「ンァ……アァッ!…はっ……あぅ…ハァッ……」
 
「はっ……隼人……っ」
 
悩んでいた事など忘れた。
すごい、彼のこんな一言で最高に幸せになれるなんて。
 
 
「ベ…ベルッ……!」
 
「隼人……ッ」
 
お互い名前を呼びながら、ほぼ同時に2人は果てていた。
 
 
 
 
 
 
結局どうなったかというと。
 
 
「じゃあ、転入は諦めるよ」
 
「……そうしろ」
 
理由を言えばそれで済んだのに、素直になりきれない。
だからこそ、ベルが沈んでしまうとこっちが折れるしかないのだ。
 
たまには素直になってやった方がいいかな…と思う獄寺なのであった。
 
 
 
 
 
 
 
→後書き
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