献上小説置き場2

□信じる事で変わるもの
1ページ/4ページ

 
※捏造ありまくりです。
 
 
 
 
「行くよな?フラン」
 
「……めんどくさいんでパスしますー」
 
「……………」
 
どうしてこんなに思い通りにならないんだろう……そう思った。
 
 
 
 
 
ジルはヴァリアー邸の中庭をぶらぶらと歩く。
 
生意気な片割れの弟であるベルの部下、フラン。
彼を気に入って、ボンゴレに入った。
ベルと同じヴァリアーなんてまっぴらごめんだったからだ。
 
押して押して、やっとフランと恋人同士になった。
だが……アイツはいつまでたっても素っ気無く、そもそも基本的に興味というものを持たない。
こっちから会いに行っても別段喜びもせず、好意を示しても「そうですかー」で流される。
これで果たして付き合っていると言えるのだろうか…?
 
だから今回、デートに誘ってみた。
もちろんフランの休みは調査済みだ。
 
 
 
「おいフラン」
 
「……何ですかー?」
 
目立つカエルの帽子を被っているからすぐわかる。
これも無理矢理被らされているらしいが、俺は結構気に入っている。
あの駄弟が被せたのだと思うと腹が立つが。
 
「次の日曜、休みだろ。デートしようぜ」
 
「……はい?」
 
フランは思わず聞き返す。
 
「デートだ。行くよな?フラン」
 
「……めんどくさいんでパスしますー」
 
「……………」
 
ちょっと待て。
俺らまだデートしたことないんだぜ?
それどころか恋人らしい事も何一つしていない。
それで断るってどういう事だ…?
 
 
ジルはフランの肩を掴むと、少し声のトーンを落として言った。
 
「俺らって恋人同士だよな?なのにめんどくさいってどーゆー事だよ?」
 
「……………」
 
フランは気まずそうに視線を逸らすと、口をつぐむ。
そして暴れるでも騒ぐでも反論するでもなく、ただ「仕事があるんで放して下さい…」と呟いた。
 
「………わかったよ」
 
ジルはため息をつくと、少し乱暴に恋人の肩を解放する。
 
「あのぅ……」
 
「……悪かった、さっきのは忘れろ」
 
嫌われたくはない。
恋人だと見られていなくても、それでも嫌われるよりはマシだ。
 
ジルは呆然とするフランをおいて、ヴァリアー邸を後にするのだった。
 
 
 
 
 
 
「……で?そのまま帰ってきちゃったんだー、ジル」
 
「………仕方ねーだろ」
 
ボンゴレ本部のボスの部屋。
そこでジルは、いつものように相談相手のツナに先程の事を話していた。
消去法でいくと、相談出来るのは彼しかいない。
 
「アイツ…フランは、多分俺の事をどうとも思ってねぇ。付き合ったのだって、流れに身を任せてそうなっただけだ」
 
チッと舌打ちをして髪をかき上げるジル。
ツナはそんな彼の様子を見て、困ったように笑い、言った。
 
「……ホントはこーゆーのって良くないんだけど…仕方ないね」
 
「は?」
 
「これが2人の為になるって俺は思うから……だからさ、ジル、これからちょっと俺の言う通りにしてよ」
 
 
 
 
 
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ