献上小説置き場2

□信じる事で変わるもの
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そしてデート前日。
あれからまだ顔を合わせていない2人。
 
ジルはボンゴレ本部の庭で、どうしようかと悩んでいた。
そしてそのままうたた寝をしてしまう。
ここは昼寝の穴場なのだ。
 
 
 
数時間後。
ジルは何かの気配で目を覚ました。
 
「……………」
 
起きて早々、目を丸く見開く。
まず視界に入ってきたのは、恋人の寝顔だった。
自分の隣で寝ている。
何故だかわからないし、そもそも彼は滅多に本部へ来ない。
 
そうこう考えていると、フランが目を覚ました。
 
 
「…………おはよーございますー」
 
「……おぅ」
 
しばし無言で見つめ合った後、フランが先に起き上がる。
ジルもそれに続いた。
 
 
「珍しいな、おまえがここ来んの」
 
「……ミー、そういえばこの前仕事でコートボロボロになっちゃったんですー」
 
「…は?」
 
「だからー、今度の日曜に買いに行こうと思ってるんですけど……別に嫌だったらいいですけど、暇なら一緒に……っ」
 
そこでフランの言葉は遮られた。
ジルの熱い抱擁によって。
 
「あぁ……あぁ!!行こう!俺も休みだから、コート買いに行こう!!」
 
ジルに抱きしめられながら、フランはその肩に顔を埋めて呟き出す。
それは本当に小さな声だった。
 
「……この前は言い過ぎた…と思いましたー。ミーだってさすがに…嫌いな奴とは付き合いません……」
 
「フラン…」
 
ジルはフランの顔を見ようと引き離そうとするが、しっかり肩に顔を埋められてしまっているため、それは叶わなかった。
 
「フラン…?」
 
「今…ミーの顔見ないで下さい…っ」
 
それで全てを理解したのか、ジルはただ黙ってフランを抱きしめ続けた。
 
「フラン……俺さ、おまえが何と言おうと、おまえの事好きだから」
 
「………」
 
「ずっと好きだから。俺の何も信じなくていい……ただ、今の言葉が俺の本音って事だけ、これだけは信じて」
 
「……ミーは疑り深いんですよー」
 
「大丈夫」
 
「っ………」
 
その「大丈夫」という一言で、フランは自分の中の何かが今まで固かった殻を破るのを感じた。
そして……真っ赤な顔を隠すように、さらに愛しい者の肩へ顔を押し付けるのだった。
 
 
 
 
 
 
→後書き
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