献上小説置き場2

□昔の敵は未来の恋人
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※あえて(?)、まだ現代では2人は付き合っていない設定です。
 それどころか、リング戦後すぐです。
 
 
 
 
「よっ、ツナ」
 
ヴァリアーとの戦いも終わり落ち着いてきた頃、山本がツナの家に遊びに来た。
獄寺はイタリアへ武器の補充に行っているそうだ。
 
「いらっしゃい、山本」
 
今日はツナの部屋でゲームでもしようかと計画していた。
だがもちろん、沢田家が静かな訳がない。
 
 
「がはははっ!ランボさんもゲームやるー!」
 
ウザさ全開のランボが割り込んできた。
 
「こらランボ、あっちで遊んでろ!」
 
「ランボさんもゲームやるんだもんね!」
 
「山本来てるからまた後で!」
 
「………ツナのバカァ!!」
 
そう言って走り出したランボは、見事にコントローラーの線に引っかかってコケた。
お約束のように10年バズーカを取り出し、放とうとして……なんと、またコケて照準が狂ってしまった。
そして………
 
「えっ!?」
 
なんと、山本に直撃してしまった。
 
「やっ…山本ぉ―――っ!!」
 
ツナの呼びかけもむなしく、室内を煙が包み込んだ。
 
 
 
 
 
 
 
「………ん?」
 
一方の山本は、見た事もない場所に目を丸くしていた。
 
「あれ?さっきまでツナの部屋だったのに……」
 
だがそこはさすがと言うべきか、山本はじっとしていてもしょうがないと思い、とりあえず見慣れない部屋を出て人を捜す事にした。
 
 
ドアを開けると、長い廊下が続いていた。
とりあえず勘で進む。
すると早速、見慣れた顔に出会った。
 
「あれ?獄寺じゃねーか。イタリア行ってたんじゃねーのか?」
 
「あ?なん………」
 
振り向いた獄寺は思わず固まる。
そう、ここは10年後の世界。
 
「おまっ……山本か?!何でその姿に…」
 
「ん?その姿?……って、あれ?なんか獄寺、ちょっと違うっつーか…髪型か?あ、髪切ったのか?」
 
「……………」
 
相変わらずのボケに肩の力が抜ける。
彼の目には、10年たっても自分の姿はあまり変わりないらしい。
それはそれで結構ショックなのだが、まぁ相手があの山本武なのだから仕方がないだろう。
 
獄寺はこれが過去のランボの10年バズーカの仕業だと察すると、能天気な山本にここがイタリアでツナや他のみんながいる建物である事を告げた。
ここが10年後である事は面倒なので省く。
どうせ5分たったら戻るだろう。
 
 
 
そこへ、山本の後ろから足音が近づいてきた。
獄寺はその人物を確認すると、「あとはアイツに聞け」と言って逃げるように去って行った。
これでも忙しかったのだ。
 
山本は「アイツ?」と言って振り返る。
そして思わずまばたきを忘れた。
そこには、確かに知っている人物が立っていた。
 
 
 
 
「………………スク…アーロ…?」
 
この銀髪は間違いない。
ついこの間戦ったばかりだ。
だが、やはり少し自分の知っている彼とは違う気がした。
 
一方のスクアーロは思わぬ事態にその場で固まる。
夢かと思い何度も自分の頬をつねり、やっとこれが現実である事を認識した。
 
「武……?」
 
近づこうとすると、その前に向こうが駆け寄って来た。
 
「スクアーロだよな!?なんかちょっと違う気がすっけど…やっぱ髪型か?まぁいいや。それよりもう歩いて平気なのか!?怪我は!?前見た時なんて包帯だらけだったじゃねーかっ」
 
「っ??!!」
 
何が何だかわからない。
剣士はあらゆる時でもどんな状況でも冷静に…なんて、誰が言っただろう。
こんな状況、冷静でいられる訳がない。
 
「武…?おまえ、何で幼く………」
 
そこで10年バズーカの存在をやっと思い出す。
だんだん落ち着いてきて、とりあえず10年後の山本の部屋へ向かったのだった。
 
 
 
 
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