献上小説置き場3

□ハチャメチャ入れ替わり弾
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一方、周囲はもはや大混乱。
 
「よりによってこの俺がアホ牛になるなんて…っ」
 
ランボが悔しそうに床を叩く。
彼の中にいるのは獄寺だった。
 
「極限わからんぞーっ!?」
 
雲雀が高々と声をあげる。
中身は言わずもがな了平だ。
 
あぁ…みんな個性強いからわかりやすいなぁ…などと、段々冷静になってきたツナ。
とりあえず、みんなに一旦落ち着いてもらい状況を説明。
 
次に、誰が誰になったか、まとめてみる事にした。
 
「じゃあ、紙に書くから。えっと、まずは俺が獄寺君…」
 
「光栄です!10代目に自分なんぞの身体を捧げられるなんて!!」
 
「あ〜…獄寺君がランボ…っと。で、リボーンが山本だっけ」
 
「視界が高くていい気分だぞ」
 
「それ体験したかっただけだろっ!」
 
端から見れば、獄寺が山本に怒鳴っている状態。
いつもとなんら変わらない風景だ。
 
「お、小僧が俺に入ってんのかー」
 
そう言ったのは骸。
しかも、天然の爽やかな笑顔で。
 
「山本が骸かぁー」
 
紙に埋めていく。
 
「ちょっと何ですか山本武!僕の身体でそんな気持ち悪い笑い方しないで下さいっ!人権侵害ですよ!?」
 
ディーノがそう叫ぶ。
 
「骸はディーノさん…っと。えっとじゃあ…ディーノさんはどこですか?」
 
「俺、ここー」
 
「え?」
 
見れば、自分が手をひらひら振っている。
 
「まさか、ディーノさんって、俺!?」
 
「おうっ」
 
「はぁ〜…良かったぁ〜…」
 
ある意味、1番マシな人で心底ホッとするツナ。
これなら自分の身体はとりあえず安心だろう。
 
「まさか俺がツナの身体になぁ〜…………痛っ!!」
 
そう言いながら近づいて来た外見ツナのディーノは、コタツに足を引っ掛けて盛大にコケた。
そういえば今、彼の部下がいない。
 
「…………」
 
ある意味1番危険だ!!そう思うツナだった。
 
 
 
 
「えっと…それから……あ、ザンザスの中身は一体誰…………」
 
見渡し、瞬時にわかった。
床にくつろぎ、飴を舐めている彼がいた。
 
「ラ…ランボ……?」
 
「ん?何だよアホ寺ぁー」
 
そう言われ、今自分は獄寺の姿なのだと思い出す。
 
「あ…あんなザンザスを見る日が来るとは……」
 
「アレは俺じゃねぇ!!」
 
「え?」
 
声のした方を見れば、リボーンの姿が。
 
「もしかして、リボーンがザンザス…?」
 
「チッ、何でこの俺がこんな赤ん坊に…」
 
だが普段のリボーンとあまり変わらずに見えた。
これでルッスーリアなんかがリボーンに入ってくれたら面白いのに…と思ってしまう。
 
「そういえば、ルッスーリアは一体……」
 
「ここよここぉ!!」
 
一生懸命手を挙げるのは、マーモン。
台詞がなければものすごく可愛い。
 
「イヤよイヤァ!何よコレェ!?こんなぷにぷにした身体、私はイヤよぉ〜っ」
 
「ちょっと、赤ん坊なんだから仕方ないよ」
 
そう反論したのは、ベル。
 
「あら?もしかしてマーモン、ベルちゃんの中にいるの?」
 
「全く、前が見えにくくて仕方ないよ」
 
「しししっ、それを言うなら、このグラサンも結構うぜーんだけど」
 
サングラスを邪魔そうに動かしながらルッスーリアが言う。
 
「あら、私の中はベルちゃん?」
 
「このグラサン、取っていい?」
 
「ダメよぉ!!」
 
 
そんなやり取りを見ながら、ツナは着実に紙に現状を書きとめていく。
 
「えっと、ルッスーリアがマーモンで、マーモンがベル、ベルがルッスーリア…」
 
ここはどうやら3人で入れ替わりが発生したらしい。
 
あとは、最初の方に叫んでいた雲雀が了平。
独特なだみ声を出していた了平がスクアーロ。
 
「……ってことは、後は……スクアーロの中身が雲雀さんか…」
 
そして「出来た!」と言って、ツナは表を壁に貼り付けた。
そこには…
 
中身→外見
ザンザス→リボーン
ツナ→獄寺
スクアーロ→了平
山本→骸
ベル→ルッスーリア
獄寺→ランボ
骸→ディーノ
ランボ→ザンザス
ディーノ→ツナ
雲雀→スクアーロ
ルッスーリア→マーモン
了平→雲雀
リボーン→山本
マーモン→ベル
 
となっていた。
 
皆、その表を頭に叩き込む。
ただし、外見ザンザスのランボだけは未だに床に座り、飴を舐めていた。
 
「こらランボ!今大変なんだからな?おまえも強力しろよっ」
 
「何だよ〜アホ寺ぁ!ランボさんに指図すんな〜っ」
 
「俺はツナだってばっ」
 
もうらちが明かない。
そこへ、外見リボーンのザンザスが自分の身体に銃を向けた。
 
「もう我慢出来ねぇ…!こんなアホに好き放題やらせるくらいなら、俺がこの手で自分を始末してやる…!」
 
「ちょっと待ってザンザスッ」
 
「おい綱吉!俺の身体を縛り付けて動けなくしろ!これでこれ以上動かれちゃあたまんねぇ!」
 
「わ…わかった!」
 
というも、相手は中身はランボとはいえ身体はザンザス。
デカイ上に子供のように暴れるので押さえつけるだけでも一苦労だ。
外見了平のスクアーロや外見骸の山本の力を借り、なんとか沈めるのだった。
 
だがその騒ぎに、外見ディーノの骸が反発する。
 
「なんですか皆さん!僕の愛しのランボになんという暴行を!見た目はマフィアでしかも最も可愛さから遠く離れた男でも、中身は可愛い可愛い僕の仔牛なんですよ!?」
 
そして縛り付けられた外見ザンザスのランボの頭をヨシヨシと撫でる。
外見だけで見れば、ディーノがザンザスの頭を撫でている状態であって、身体の持ち主から見れば史上最悪の光景だった。
 
「今すぐ俺の身体から離れろ跳ね馬ぁ!!」
 
「違っ…俺じゃねーって!おい骸っ、それ一応身体はザンザスなんだからなっ!?」
 
「クフフフフ……僕は外見になんて惑わされないですよ。愛しいランボがここにいるのです。……ほら、目を閉じればそこには可愛らしい僕の…この僕の仔牛が…!!あぁランボッ、愛していますっ!!」
 
そこでガバッと抱きつく。
 
「「ギャア〜〜〜〜〜っ!!!!」」
 
2人の声が家中に響き渡ったのであった。
 
 
 
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